終末を待つ人々の生活【終末のフール】 [書籍にドロップキック!!]
■ヒトコト感想
八年後にこの世が終わるとなったら、人はどうするのだろうか。その答えが本作に描かれているとは思わないが、変に納得できる何かがある。作者のキャラクターはマイペースで周りに流されることはない。そのキャラクターがそのまま終末が近づくにつれて、自分たちの思うがままに行動する。パニックになる時期を過ぎ、終末が近づくと悩むことはある。死が近づいたからこその悩みもあれば、そうでない悩みもある。物語のトーンが変われば、宗教的な香りがしてくる危険性もある。そこは、作者独特のキャラクターたちが、軽いタッチで終末へむかう日々を過ごしている。共感はできないが、全てに絶望し、悟りを開いたような状態になれば、こうなるのかもしれない。
■ストーリー
八年後に小惑星が衝突し、地球は滅亡する。そう予告されてから五年が過ぎた頃。当初は絶望からパニックに陥った世界も、いまや平穏な小康状態にある。仙台北部の団地「ヒルズタウン」の住民たちも同様だった。彼らは余命三年という時間の中で人生を見つめ直す。家族の再生、新しい生命への希望、過去の恩讐。はたして終末を前にした人間にとっての幸福とは?今日を生きることの意味を知る物語。
タイトルに惹かれてふらっと覗き見ました。
Amazonでも評価は高いようなので少し頭の片隅に置いておこうかな。
by ta23358 (2009-09-24 13:38)