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不可解な誘拐事件の目的は?【誘拐の果実 上】 [書籍にドロップキック!!]

誘拐の果実 (上) (集英社文庫)

誘拐の果実 (上) (集英社文庫)

  • 作者: 真保 裕一
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2005/11/18
  • メディア: 文庫

 

■ヒトコト感想
2つの誘拐事件がそれぞれの目的に合わせたように、タイミングよく発生する。誘拐されたのが17歳の少女であり、19歳の青年であれば否が応でもある一つのパターンを想像してしまう。それは狂言誘拐なのではないかということだ。上巻ということもあり、誘拐事件の全容は明らかにはならない。ただ、普通の誘拐事件ではなく、何か大きな裏がありそうな匂いはただよってくる。あっさりと狂言誘拐というオチにするにしても、不可解な部分がある。先が見えない事件なだけに、読んでいる間中、新たな真実が明らかになるにつれ、より熱中度が高まってくる。人質を救出するための病院内での極秘作戦の場面では、かなり緊迫した雰囲気があり、さらには失敗するパターンもあるのでは、と勝手に想像してしまった。本作は当たり前の結末にはならないような気がする。

■ストーリー

病院長の孫娘が誘拐された。犯人からは、人質の黒髪と、前代未聞の要求が突きつけられる。身代金代わりに、入院中の患者を殺せ、というのだ。しかもその人物は、病院のスポンサーでもあり、政財界を巻き込んだ疑獄事件で裁判を待つ被告人だった。悩む家族、後手に回る警察。人質救出の極秘作戦が病院内で幕を開ける。そこに第二の事件が―。

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