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自分をイジメた男を刑務所の中で観察 【海峡の光】 [書籍にドロップキック!!]


海峡の光 (新潮文庫)

海峡の光 (新潮文庫)

  • 作者: 仁成, 辻
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2000/02/29
  • メディア: 文庫

■ヒトコト感想
刑務所の看守の斉藤の物語。少年時代に優等生で、斉藤に陰湿ないじめをくりかえしてきた花井が、囚人として斉藤の刑務所にやってきた。そこから、斉藤の人生を振り返るように物語がすすみ、花井の刑務所内での奇妙な行動が描かれている。元優等生の面影なくみじめな花井。斉藤は圧倒的な立場の違いを利用し花井を観察する。

花井がどのような心境で刑務所生活を送っているのかはわからない。少年時代に裏では陰湿な行為を繰り返していた花井は、刑務所内でもその片鱗を見せつつある。刑期満了する前に出所するチャンスがあったが、花井はあえて問題を起こし刑務所に居続けようとする。最後まで花井の奇妙な心の動きは理解することができなかった。

■ストーリー
廃航せまる青函連絡船の客室係を辞め、函館で刑務所看守の職を得た私の前に、あいつは現れた。少年の日、優等生の仮面の下で、残酷に私を苦しめ続けたあいつが。傷害罪で銀行員の将来を棒にふった受刑者となって。そして今、監視する私と監視されるあいつは、船舶訓練の実習に出るところだ。光を食べて黒々とうねる、生命体のような海へ……。海峡に揺らめく人生の暗流。芥川賞受賞。






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