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とてつもなく嫌な奴は最後まで救いがない 【昨日がなければ明日もない】 [書籍にドロップキック!!]


昨日がなければ明日もない

昨日がなければ明日もない

  • 作者: みゆき, 宮部
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2018/11/29
  • メディア: 単行本

■ヒトコト感想
このシリーズの肝である、嫌な登場人物は今回も健在だ。3つの中編が収録されている本作。それぞれに嫌な奴が登場してくるのだが、これが救いようがない。何かしら嫌な奴にも言い分があったりだとか、そうなる理由などが語られるのが普通だが、本シリーズではそれがない。嫌な奴はとことん嫌な奴で、それを突き詰めるような感じだ。そのため、読了後の後味は良くない。

悪はそれなりに報いを受けるのだが、なんだか救いがない。ごく普通の常識が通用しない。この強烈な嫌な奴といういうのは、強烈なインパクトがある。杉村シリーズは、内容はすばらしく入り込めるが、登場キャラクターがとんでもなく嫌な奴なので、読むのが辛くなるような状況の作品もあった。

■ストーリー
「絶対零度」……杉村探偵事務所の10人目の依頼人は、50代半ばの品のいいご婦人だった。一昨年結婚した27歳の娘・優美が、自殺未遂をして入院ししてしまい、1ヶ月ヵ月以上も面会ができまいままで、メールも繋がらないのだという。杉村は、陰惨な事件が起きていたことを突き止めるが……。「華燭」……杉村は近所に住む小崎さんから、姪の結婚式に出席してほしいと頼まれる。小崎さんは妹(姪の母親)と絶縁していて欠席するため、中学2年生の娘・加奈に付き添ってほしいというわけだ。会場で杉村は、思わぬ事態に遭遇する……。

「昨日がなければ明日もない」……事務所兼自宅の大家である竹中家の関係で、29歳の朽田美姫からの相談を受けることになった。「子供の命がかかっている」問題だという。美姫は16歳で最初の子(女の子)を産み、別の男性との間に6歳の男の子がいて、しかも今は、別の〝彼〟と一緒に暮らしているという奔放な女性であった……。






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