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作者は厄介な人物だ【少女を埋める】 [書籍にドロップキック!!]


少女を埋める (文春e-book)

少女を埋める (文春e-book)

  • 作者: 桜庭 一樹
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2022/01/25
  • メディア: Kindle版

■ヒトコト感想
作者の私小説だ。最初読み進める中で、主人公の冬子は作者のようではあるが、フィクションなのだろうと思っていた。かなり自分の母親に辛辣な思いをつづる場面が多々あり、実の母親の秘密を暴露するような印象をもった。それが次の「キメラ」で、実はすべてが事実で批評家とのトラブルが書かれていた。

こんなトラブルがあったのは知らなかった。そして、作者が執拗に主張するあらすじと批評家の想像は分けて書くべきというのがあるのだが…。根底にあるのは、田舎で母親が周りからいわれのない誹謗中傷を受けることを危惧してのようだが…。例え批評家が正しく訂正したとしても、田舎の母親が肩身の狭い思いをするのは変わらないのだろうと思われた。

■ストーリー
2021年2月、7年ぶりに声を聞く母からの電話で父の危篤を知らされた小説家の「わたし」は、最期を看取るために、コロナ禍下の鳥取に帰省する。なぜ、わたしの家族は解体したのだろうか?――長年のわだかまりを抱えながら母を支えて父を弔う日々を通じて、わたしは母と父のあいだに確実にあった愛情に初めて気づく。しかし、故郷には長くは留まれない。そう、ここは「りこうに生まれてしまった」少女にとっては、複雑で難しい、因習的な不文律に縛られた土地だ。異端分子として、何度地中に埋められようとしても、理屈と正論を命綱になんとかして穴から這い上がり続けた少女は東京に逃れ、そこで小説家になったのだ――。






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