SSブログ

浮き沈みの激しい建築士 【ノースライト】 [書籍にドロップキック!!]


ノースライト

ノースライト

  • 作者: 横山 秀夫
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2019/02/22
  • メディア: 単行本

■ヒトコト感想
建築士の青瀬が主人公の物語。建築士は自分が作った家がその後どうなっているかが気になるらしい。雑誌にも紹介され話題となった青瀬が設計したY邸。現在ではもぬけの殻となったY邸にショックを受け、施主である吉野の行方を探る。それと並行し建築士の浮き沈みの激しさも描かれている。バブル期には景気が良くバブルがはじけると途端に仕事がなくなる。

弱小事務所に拾われた青瀬は、事務所が大きな公共事業のコンペに参加し活気づいている時に、所長である岡島が不正を働きコンペの資格を得たと報道されてしまう。建築士の悲哀や、青瀬の家族、そしてそのルーツにまで関わる物語となっている。建築士がここまで浮き沈みの激しい仕事だとは思わなかった。

■ストーリー
一級建築士の青瀬は、信濃追分へ車を走らせていた。望まれて設計した新築の家。施主の一家も、新しい自宅を前に、あんなに喜んでいたのに…。Y邸は無人だった。そこに越してきたはずの家族の姿はなく、電話機以外に家具もない。ただ一つ、浅間山を望むように置かれた「タウトの椅子」を除けば…。このY邸でいったい何が起きたのか?






nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:

生まれ変わりを繰り返す犬【僕のワンダフル・ライフ】 [映画にドロップキック!!]


僕のワンダフル・ライフ [Blu-ray]

僕のワンダフル・ライフ [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン
  • メディア: Blu-ray

■ヒトコト感想
犬が主役の本作。犬の人生は短いので、別の犬に生まれ変わることも含めての物語となっている。冒頭で、いきなり生まれてすぐ死ぬ子犬が描かれ、そこからイーサン少年の飼い犬として生まれ変わる。本作のポイントは、犬が独自の考え方で人間たちを観察していることだ。

キスのことを顔をぺろぺろするだとか、汗の臭いで相手が好意をもっていることを感じとるだとか。犬の一生は結局のところ飼い主に依存している。良い飼い主に当たれば幸せになるが、悪い飼い主だと辛い状態となる。生まれ変わりを続けると、最後の最後には中年オヤジとなったイーサンと再会することになる。犬が生まれ変わるという発想と、飼い主に依存することの辛さが描かれている。

■ストーリー
その犬は何度でも生まれ変わる少年に会うために…夏の暑い日、子犬が車に閉じ込められて苦しんでいるところを、8歳のイーサンが助ける。感激した子犬はイーサンから一生離れないと心に誓う。ベイリーと名付けられた子犬は、遊ぶときも寝るときもいつも一緒の彼らだったが、犬の寿命は人間より短い。そしてイーサンに会うため何度も生き返るベイリーの、長い人生の旅は始まる。






nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:映画

敵司令官のプラトーン的な死に方【オペレーション・ダンケルク】 [映画にドロップキック!!]


オペレーション・ダンケルク [DVD]

オペレーション・ダンケルク [DVD]

  • 出版社/メーカー: アルバトロス
  • メディア: DVD

■ヒトコト感想
史上最大の救出作戦らしい。実際に実行された作戦をベースにして描かれているのだろうが…。史上最大とは程遠い内容となっている。ナチスの包囲網なんて映像はほぼない。少数のナチス軍が追いかけてくるだけ。救出するのはフランス人の女ひとり。イギリス軍の数人が、救出に向かうだけ。なんとも小規模な作品となっている。

ダンケルクというタイトルからは想像できない規模になっている。本作のメインは、逃亡の中で追いすがるドイツ軍から機転を利かせて様々なアイデアによりうまく逃げ続けるという部分だ。強烈なインパクトはないのだが、そこにいたるまでには様々な状況がある。ダンケルクというタイトルからすると、どうしても期待してしまう。

■ストーリー
1940年。フランス・ダンケルクでは史上最大の救出作戦が行われていた。プラマー大佐が率いる部隊も、ダンケルクからの撤退を余儀なくされていた。ナチスの包囲網が迫る中、プラマー大佐からキャロウェイ中尉に指令が下る。それは、ドイツ人の科学者を基地まで連れてくること。その科学者は、ナチスを裏切り機密を連合軍に伝えようとしていたが、既にドイツ軍に囚われていたのだった…。






nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:映画

超アグレッシブな尋問官【アンロック 陰謀のコード】 [映画にドロップキック!!]


アンロック 陰謀のコード [Blu-ray]

アンロック 陰謀のコード [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: Happinet
  • メディア: Blu-ray

■ヒトコト感想
CIAの女性尋問官のアリスが大活躍する物語。本作のポイントは序盤に集約されている。半引退状態だったアリスを呼び寄せたCIA。そこでテロリストの尋問を、尋問のスペシャリストであるアリスに依頼するのだが…。ここでアリスが渋々依頼を受けるが、実はその尋問こそが全て別組織により仕組まれたモノだった。

かなり強烈な状況だ。CIAと思い込んでいたものが全て違っている。その結果、アリスは本物のCIAからも裏切り者として疑われることになる。いつの間にかアリスはアメリカとイギリス両方から追われることになる。そして、アリスの周りにいる偉い人たちは、次々と殺されていく…。と思いきや、それすらもアリスを騙すための芝居だったりする。最後の最後まで気が抜けない作品だ。

■ストーリー
CIAの女性尋問官、アリス・ラシーン。どんなに手強い容疑者も必ず落とす尋問のスペシャリストとして活躍していたが、パリのテロ事件を阻止できず犠牲者を出したことから心に傷を抱えて第一線を退く。そんななか、CIAは英国での史上最凶のバイオテロ計画を察知、アリスは容疑者からテロの鍵を握るメッセージを聞き出すよう命じられる。

ところが、それは罠だった! CIA内部の裏切り者が、情報を奪おうとしたのだ。容疑者は殺され、アリスは犯人としてアメリカと英国の両政府から追われる身に! 両国からの追っ手をかわし、タイムリミットが迫るなか、果たしてアリスはバイオテロを阻止することが出来るのか? ついにテロの首謀者に近づいたアリスが知る驚愕の事実とは! ?






nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:映画

 鬼に魅せられた剣士 【今昔百鬼拾遺 鬼】 [書籍にドロップキック!!]


今昔百鬼拾遺 鬼 (講談社タイガ)

今昔百鬼拾遺 鬼 (講談社タイガ)

  • 作者: 京極 夏彦
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2019/04/19
  • メディア: 文庫

■ヒトコト感想
連続して人が日本刀で切りつけられるという事件が発生した。七人目の被害者である片倉ハル子は同級生に、自分は刀で切り殺されるということをつぶやいていた。辻斬り事件の犯人と思わしき人物が逮捕されたのだが…。そこには様々な矛盾点があった。

敦子が情報を集めて事件の真相を解き明かす。鬼をテーマとした作品だけに、人を鬼に変えてしまう魔剣の話と想像したのだが…。早々と事件の犯人的なものは想像できた。最初はぎこちなかった辻斬りが次第に慣れてくる。最後には人をバサリと一刀で切り殺すまでに成長する。状況証拠から犯人は想像できるのだが、凶行にいたる経緯が物語の唯一のポイントだろう。鬼に魅入られた犯人の心情は最後まで知ることができない。

■ストーリー
「先祖代代、片倉家の女は殺される定めだとか。しかも、斬り殺されるんだと云う話でした」昭和29年3月、駒澤野球場周辺で発生した連続通り魔・「昭和の辻斬り事件」。七人目の被害者・片倉ハル子は自らの死を予見するような発言をしていた。ハル子の友人・呉美由紀から相談を受けた「稀譚月報」記者・中禅寺敦子は、怪異と見える事件に不審を覚え解明に乗り出す。






nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:

ネット上の匿名視聴者の恐怖【ナーヴ 世界で一番危険なゲーム】 [映画にドロップキック!!]


NERVE

NERVE

  • 出版社/メーカー: Lionsgate
  • 発売日: 2016
  • メディア: Blu-ray

■ヒトコト感想
ネット上でSNSと連動しチャレンジゲームがスタートする。このあたりユーチューブなどで流行りだすと皆が同じことにチャレンジする動画が流行ったりする。その行き過ぎた版だろう。最初は簡単なチャレンジで成功すると報酬が支払われる。チャレンジのシーンを自分の携帯で撮影するというのがポイントだろう。

全世界に視聴者はいる。勝ち進むと決勝戦がまっている。バックグラウンドの組織が不明で、SNSでの繋がりと大量の視聴者により支えられているゲーム。密告した場合は視聴者から狙われることになる。姿の見えない聴衆ほど恐ろしいものはない。ラストも、大騒ぎしていた聴衆たちは、自分たち個人に責任がおよぶとわかると途端に逃げ腰になる。これが匿名視聴者の姿だ。

■ストーリー
高校生のヴィー(エマ・ロバーツ)は、ひょんなことから裏オンラインゲームに参加する。それは視聴者が出す指令をクリアして賞金をつかむというもので、彼女は見知らぬ者と5秒間キスをして賞金の100ドルを得る。同じゲームのプレイヤーでもあったキスの相手イアン(デイヴ・フランコ)と一緒に、繰り出される指令を遂行していくヴィー。

人気プレイヤーコンビとなって多額の賞金を手にする二人だったが、イアンの怪しい一面が浮き上がり、さらに指令の過激さもエスカレートしていき……。






nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:映画

電話1本で指名権をトレード【ドラフト・デイ】 [映画にドロップキック!!]


ドラフト・デイ [Blu-ray]

ドラフト・デイ [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: バップ
  • メディア: Blu-ray

■ヒトコト感想
NFLのドラフトを舞台とした作品。ドラフトと言えば、日本ではプロ野球をイメージしてしまう。NFLのドラフトはあらかじめ指名できるチームの順番が決まっている。このことが本作にドラマを生んでいる。絶対的なスター候補生のキャラハンをどのチームが指名するのか。チーム同士の駆け引きもそうだが、指名される選手たちもドラフトが全てで、指名された後に活躍できるかはほとんどポイントとされていない。

ドラフトで指名することが全てとなっている。最も驚いたのは、ドラフトの指名順を電話ひとつでやり取りしてしまうことだ。トレードという言葉ひとつで今後3年間の1巡指名権を相手に譲るなんてことまである。それをすべてGMが即座の判断でやってしまうのがすさまじい。

■ストーリー
絶対絶命から始まった10分間の逆転ショーアメリカン・フットボールのプロリーグ、NFLに所属するクリーブランド・ブラウンズのGM(ゼネラル・マネージャー)、サニー・ウィーバーは、今まさに人生の崖っぷちに立たされていた。チームの運営と強化を一手に担う彼は、ここ2シーズンのふがいない成績に責任を感じ、3季目の今年こそは地元ファンの期待に応えたいと願っている。

そのためには12時間後に迫ったドラフト会議で、超大物ルーキーを獲得することが必要不可欠だった。ところがライバル・チームのGMに苦しい事情を見透かされたサニーは、チームの未来を売り渡す無謀なトレード話に応じてしまい、オーナーの横やりや監督との対立にも心をかき乱されていく。






nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:映画

イルカだけが優遇されている【イルカと少年2】 [映画にドロップキック!!]


イルカと少年 3D & 2D ブルーレイセット(2枚組) [Blu-ray]

イルカと少年 3D & 2D ブルーレイセット(2枚組) [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • メディア: Blu-ray

■ヒトコト感想
このシリーズは毎回思うのだが、映画自体は特別なインパクトはない。イルカと少年と周りの人々の交流物語だ。ただ、エンドロールで実際の映像が流れると、すべてが実話を元に描かれていたことに衝撃を受けてしまう。ヒレが無くなったイルカをどのようにしてケアしていくのか。仲良くなったイルカを海に逃がす場面は感動的だ。

その他には、座礁したイルカをどのようにして救出するのか。さらには、イルカ同士の相性の問題もある。この手の作品を見ると毎回感じるのは、なぜかイルカだけは優遇されているということだ。まるで人間と同じように大事に扱われている。哺乳類だから?その他の動物や海の生物と比べても、ダントツで大事にされているのはその風貌のおかげなのだろう。

■ストーリー
ソーヤー少年がイルカのウィンターを救ってから数年。ウィンターの代理母を務めた老齢のイルカ、パナマが亡くなり、唯一の友を失ったウィンターは仲間を作れず、孤立してしまう。別の水族館に引き取られる前に、何とかしてウィンターの仲間を見つけようとするソーヤーたちだったが・・・。






nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:映画

ボブ・ディランとはどんな人物か【アイム・ノット・ゼア】 [映画にドロップキック!!]


アイム・ノット・ゼア [DVD]

アイム・ノット・ゼア [DVD]

  • 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)
  • メディア: DVD

■ヒトコト感想
ボブ・ディランの生涯を描いた作品。正直ボブ・ディランがどんな人物かはよく知らない。アーテイストとして成功したイメージがある。お決まりどおりかなり癖がある人物であり、それを様々な俳優が演じている。みなボブ・ディラン風にしているかと思いきやそうではない。キリスト教に傾倒した時期やアーティストとして全盛の時期。そして家族とうまくいかない時期。

それぞれを演技派の俳優たちが演じているのだが…。特に強烈なのはケイトブランシェットが演じるボブ・ディランだ。線の細さはモノクロの映像とすることでごまかしている。ボブ・ディランはアーティストとして女性のような面があったのだろうか。ボブ・ディランはほとんど知らなかったが興味がわいてきたのは確かだ。

■ストーリー
女優のケイト・ブランシェットも含め、6人の俳優がボブ・ディランを演じる。とは言ってもディランの人生をそのまま再現するわけではなく、デビュー以前の彼の心象や、キリスト教に傾倒した時代、さらに彼の歌詞を象徴するビリー・ザ・キッドの世界など、6人が演じるのは、ボブ・ディランの「断面」。

そこからひとりのアーティストの素顔を浮き上がらせようとするのが斬新で、このアプローチだけでも本作の意義はあると言っていい。






nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:映画

排他的な島内でひとり気を吐く新人警官 【海と月の迷路 下】 [書籍にドロップキック!!]


海と月の迷路(下) (講談社文庫)

海と月の迷路(下) (講談社文庫)

  • 作者: 大沢 在昌
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/10/14
  • メディア: 文庫

■ヒトコト感想
軍艦島内部で8年前にも少女が殺されたと思われる事件が起きていた。荒巻は島民となあなあの関係を築きたい上司には無断で独自に調査をすすめる。島の内部に抑えようのない性癖をもつ者がおり、満月の日に殺人衝動を抑えることができないでいる。荒巻は正義感を振りかざしたせいで島民たちからつまはじきにされることになる。

自分の信念を曲げ周りに烏合すればすべては問題なくすすむはずだったのが…。荒巻の調査が上司にバレ、周りから攻められる場面が本作のピークなのかもしれない。そこから逃げ出さずにひたすら調査を続け、数少ない仲間と共に犯人を追い詰めていく。島という排他的な場所では、人間関係が何より大事だというのがよくわかる流れだ。

■ストーリー
もう誰も信用できない? 疑心暗鬼になる「軍艦島」のなかで、ひとつの正義を貫くことはできるのかーー。若き警察官・荒巻の”許されざる捜査”は、「全島一家族」を標榜する島に波紋を広げる。八年前にも小女が水死しており、裏には信じがたい事実が秘されていた。密室ともいうべき島でつながる二つの不審死。その謎を解く鍵は、満月の夜にあった。






nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ: