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作家に成り代わろうとする美しい女【告白小説、その結末】 [映画にドロップキック!!]


告白小説、その結末 [DVD]

告白小説、その結末 [DVD]

  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • 発売日: 2019/01/09
  • メディア: DVD

■ヒトコト感想
ベストセラー作家のデルフィーヌ。ある日、熱狂的なファンであるエルと出会う。一度ベストセラーを生み出したプレッシャーとネット上の心ない攻撃に精神を病みかけていたデルフィーヌを支えるエル。いつしか共同生活をはじめ、見栄えが良く明るく活発なエルはデルフィーヌが嫌がる仕事を積極的に助けたりもする。エルの目的の不明さが恐怖をかきたてる。

デルフィーヌから依頼された仕事を、エルはしっかりとやりきったと答えながら、実はやっていなかったり。エルはデルフィーヌを殺して、エルがデルフィーヌの立場を奪おうとしているようにすら思えてくる。エルの人生を新しい小説のネタとしようとしていたデルフィーヌなだけに、どこか後ろめたい部分があるのが本作のポイントだろう。

■ストーリー
心を病んで自殺した母親との生活を綴った私小説がベストセラーとなった後、スランプに陥っているデルフィーヌの前に、ある日、熱狂的なファンだと称する聡明で美しい女性エル<彼女>が現れる。差出人不明の脅迫状にも苦しめられるデルフィーヌは、献身的に支えてくれて、本音で語り合えるエルに信頼を寄せていく。

まもなくふたりは共同生活を始めるが、時折ヒステリックに豹変するエルは、不可解な言動でデルフィーヌを翻弄する。はたしてエルは何者なのか? なぜデルフィーヌに接近してきたのか?やがてエルの身の上話に衝撃を受けたデルフィーヌは、彼女の壮絶な人生を小説にしようと決意するが、その先には作者自身にも想像できない悪夢のような“結末"が待ち受けていた……。






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在日米軍を民間にアウトソースする野望 【トリガー 下】 [書籍にドロップキック!!]


トリガー 下

トリガー 下

  • 作者: 真山 仁
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2019/08/30
  • メディア: 単行本

■ヒトコト感想
キム・セリョン暗殺事件は、よりきな臭い方向へと動いていく。冴木があらゆるコネを使い調査するにつれ、日米韓を揺るがすとんでもないスキャンダルをセリョンが握っていたと知る。政治家や権力者へ、どこまで汚職が進んでいるのか。オリンピックの競技中に暗殺を実行できる組織とはどのような存在なのか。上巻では行方不明となっていたSATの隊員が何か鍵を握っているかのような流れとなっていた。

下巻ではより強烈なレベルの上位者にまで汚職がすすんでいることがわかる。冴木がすでに権力とは無関係の位置にいるだけに、あらゆる権力者と対等以上に渡り合うことができるのだろう。正義をひたすら追求する者たちが、何も恐れず突っ走ることで事件は真の解決を迎える。

■ストーリー
真実を求めて照準は揺れる!?東京五輪の馬術競技会場で起きた韓国代表キム・セリョン暗殺事件。背後には日米韓を揺るがす極秘情報が存在していた。事件の統括責任者として内閣参与に就いた元内閣情報調査室長の冴木は、北朝鮮の潜伏工作員・和仁と手を組み、真相に迫ろうとしていた。一方、セリョンのSPを務めた巡査部長の藤田は、彼女を守れなかった悔恨の思いを胸に、真犯人と、彼女が遺した“あるデータ”の行方を追っていた。すべてのカードが開かれたとき、世界は予想をはるかに超えた新しい顔を見せる――!!






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月で孤独な作業をする男【月に囚われた男】 [映画にドロップキック!!]


月に囚(とら)われた男 [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]

月に囚(とら)われた男 [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • 発売日: 2015/12/25
  • メディア: Blu-ray

■ヒトコト感想
月の施設でひたすら孤独な作業を続けるサム。あと少しで地球へと帰れるはずが…。月の作業は過酷で孤独だ。誰もが嫌がる仕事を続けさせるためにはどうすべきか。序盤からそのからくりが明らかとなる。作業中や不慮の事故でサムが死亡した場合は、代わりのサムがすぐに目覚めさせられる。サムはクローンとして月で一生仕事をすることにされていた。

クローンの中でも新しいクローンは力に満ち溢れており、古いクローンは体にガタがきていて、そのままでも寿命がつきてしまう可能性がある。サムが真実を知る場面は衝撃的だ。地球からやってくる会社の者たちにクローンが複数生きていると知られると排除される。閉鎖された空間で、同一人物である2人のクローンが対決するのも奇妙な映像だ。

■ストーリー
近未来――地球の資源は底をついた。宇宙飛行士のサムはエネルギー源を月より地球へ送るため、ルナー・インダストリーズ社よりたった一人で派遣されていた。月での生活は、毎日決まった時間に起き、ランニングマシーンに乗り、ヘリウム3を採掘するだけの日々。話し相手はコンピューターのガーティだけ。地球との交信は衛星の故障によりできず、録音したメッセージをやり取りするのみ・・・。3年という契約期間を淡々とこなし、やっと、地球に戻れる日が2週間後に迫っていたのだが――!?






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東京オリンピックの競技中、選手が射殺される 【トリガー 上】 [書籍にドロップキック!!]


トリガー 上

トリガー 上

  • 作者: 真山 仁
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2019/08/30
  • メディア: 単行本

■ヒトコト感想
東京五輪の真っただ中で乗馬の選手がライフルで狙撃されてしまう。序盤では日米韓のスキャンダルを握ってる韓国の検事セリョンの状況が描かれている。中盤でセリョンが狙撃されてからは、ジェットコースターのように急転直下の展開となる。北朝鮮の工作員、韓国の検事や警察組織、そして日本の公安、警察官僚、SATまで様々な立場の者が入り混じる。

外交問題にまで発展する可能性のある殺人事件。怪しげな組織の存在や日韓の在日米軍に関する秘密など物語は思いもよらない方向へと動いていく。とんでもないスキャンダルの証拠をもつ者は、例外なく消されていく。あらゆる場面でその力を使うことができる組織とはどのような存在なのか。物語が進むにつれて、これほど強烈な組織の全容については興味が強くわいてくる。

■ストーリー
東京五輪で放たれた、一発の銃弾。謀略の引き金はひかれた!2020年7月24日、東京オリンピックがついに開幕した。現役検事ながら馬術競技韓国代表のキム・セリョンは五輪直前、二度も凶漢に襲われ、ある不正に関する極秘捜査をやめるように脅されていた。5月半ばには、在日米軍女性将校と北朝鮮の潜伏工作員の変死事件が相次いで発生。三つの事件の裏には、日韓の在日米軍に関するある謀略が蠢いていた――。アジアの安全保障を根底から揺るがすパンドラの箱が、いま開かれた!!






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実際に起きた石油採掘施設の事故【バーニング・オーシャン】 [映画にドロップキック!!]


バーニング・オーシャン (オリジナルカード付) [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]

バーニング・オーシャン (オリジナルカード付) [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • 発売日: 2018/07/04
  • メディア: Blu-ray

■ヒトコト感想
実際に起こった事故を描いた作品。石油採掘施設での爆発炎上事故。ある程度誇張されているとはいえ、周りを海に囲まれた施設が火事になれば、当然逃げ場はない。物語としては、企業的利益を追い求める上層部と安全を第一に考え慎重に試験を続ける現場作業員たちの攻防からスタートする。利益優先の考えにより事故が起きたというストーリー展開だ。

実際の事故の裁判でも幹部たちは訴えられたらしいのだが…。事故の描写はすさまじい迫力がある。石油採掘施設なので、炎の元となる石油は出続けている。船の助けを待てずに海に飛び込む者もいる。現場作業員の主任であるジミーはなんとか事態を打開しようと必死になる。炎の迫力と、エンドロールで流れる実際の映像は、すべてが現実に起こったことなのだと驚かされる。

■ストーリー
2010年4月20日。電気技師マイク(マーク・ウォールバーグ)は、家族を残しメキシコ湾沖の石油掘削施設「ディープウォーター・ホライゾン」に単身赴いた。掘削現場では主任ジミー(カート・ラッセル)の抗議も虚しく、工期遅れを挽回したい石油会社管理職のヴィドリン(ジョン・マルコヴィッチ)によって重要な安全確認テストが省略されてしまう。ずさんな管理体制で工事が進められた結果、大量の原油が噴出し施設は大爆発の炎に包まれる。脱出可能なタイムリミットが刻一刻と迫るなか、施設に残された126人の運命は―!






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強盗犯と保安員、どちらもアウトローだ【ザ・アウトロー】 [映画にドロップキック!!]


ザ・アウトロー[Blu-ray]

ザ・アウトロー[Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2019/02/20
  • メディア: Blu-ray

■ヒトコト感想
LAで発生する銀行強盗とそれを取り締まる重犯罪班の物語。どちらもキャラ立ちしており、どちらもアウトローだ。強盗チームがアウトローなのは当然だが、保安局側の男たちも超アウトローだ。容疑者を拉致して脅すのは当然として、その脅し方がまるっきりギャングだ。保安員であるはずのニックの強面具合と仲間たちの悪さ加減がすばらしい。対する強盗チームはレイを中心として強面のやつらがそろってはいるが、どこか知的で緻密な計算の上で強盗を成功させようとしている。

どちらも強烈にアウトローだが、レイたちの方を応援したくなった。ニックは奥さんと子供が家を出ていき、FBIとも対立しながらレイを追いかけ続ける。レイよりもニックが悪者の方がしっくりくるかもしれない。

■ストーリー
48分に1回銀行強盗が発生するといわれるロサンゼルス。ロサンゼルス郡保安局の重犯罪班を率いるニック・オブライエン(ジェラルド・バトラー)は多発する銀行強盗に日々立ち向かっていた。そんなある時、伝説の強盗と呼ばれるレイ・メリーメン(パブロ・シュレイバー)の一味が3000万ドルの銀行強盗を企てているとの情報が舞い込む。氷のように冷たく、恐ろしいほど冷静なレイに率いられた集団は、平凡な強盗団ではない。軍人のように正確に動き、緻密な計画を立て、熟練した人材を雇い入れる。ニックたちは徐々に一味を追い詰めていき、両者が対決する日は刻一刻と近づいていたー






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自分をイジメた男を刑務所の中で観察 【海峡の光】 [書籍にドロップキック!!]


海峡の光 (新潮文庫)

海峡の光 (新潮文庫)

  • 作者: 仁成, 辻
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2000/02/29
  • メディア: 文庫

■ヒトコト感想
刑務所の看守の斉藤の物語。少年時代に優等生で、斉藤に陰湿ないじめをくりかえしてきた花井が、囚人として斉藤の刑務所にやってきた。そこから、斉藤の人生を振り返るように物語がすすみ、花井の刑務所内での奇妙な行動が描かれている。元優等生の面影なくみじめな花井。斉藤は圧倒的な立場の違いを利用し花井を観察する。

花井がどのような心境で刑務所生活を送っているのかはわからない。少年時代に裏では陰湿な行為を繰り返していた花井は、刑務所内でもその片鱗を見せつつある。刑期満了する前に出所するチャンスがあったが、花井はあえて問題を起こし刑務所に居続けようとする。最後まで花井の奇妙な心の動きは理解することができなかった。

■ストーリー
廃航せまる青函連絡船の客室係を辞め、函館で刑務所看守の職を得た私の前に、あいつは現れた。少年の日、優等生の仮面の下で、残酷に私を苦しめ続けたあいつが。傷害罪で銀行員の将来を棒にふった受刑者となって。そして今、監視する私と監視されるあいつは、船舶訓練の実習に出るところだ。光を食べて黒々とうねる、生命体のような海へ……。海峡に揺らめく人生の暗流。芥川賞受賞。






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一発屋脚本家の悲哀【Re:LIFE リライフ】 [映画にドロップキック!!]


Re:LIFE~リライフ~ [Blu-ray]

Re:LIFE~リライフ~ [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)
  • 発売日: 2016/04/28
  • メディア: Blu-ray

■ヒトコト感想
若いころに脚本家として成功し、名声を手に入れたキースが、落ちぶれ大学の講師となる物語だ。ヒューグラントはこの手の間抜けな役がよく似合う。一発屋の脚本家として、現在でもプライドは捨てきれずハリウッドにしがみついている。そんなキースに引導を渡すためにエージェントが用意した仕事が大学の講師だ。気が進まないキースは授業の希望者を見た目で選び、教室には美しい女性と不細工な男だけになっている。

キースは生徒と肉体関係を結び、権力ある女性教授をこき下ろしたりとやりたい放題だ。そのツケがのちのち回ってくるのだが…。個性豊かな生徒たち。やる気のないキースがやる気を見せ、最終的には脚本家よりも講師の道を選択する物語だ。

■ストーリー
アカデミー賞脚本賞に輝き、一夜で名声を手に入れたキース・マイケルズ(ヒュー・グラント)。しかし、それから15年もの間、全くヒット作に恵まれない。妻にも逃げられ、一人息子とも会えず、遂には電気すら止められてしまう。彼は仕方なく、エージェントから紹介された、NY北部の田舎町ビンガムトン大学のシナリオコースの講師を引き受ける。懇親会では酔っ払って女性教授ウェルドン(アリソン・ジャネイ)に暴言を吐き、学生は好みのタイプの女学生カレン(ベラ・ヒースコート)たちを選ぶなど、やりたい放題。

再三大学の学科長のラーナー(J・K・シモンズ)に忠告を受ける始末。だが、娘を育てながら復学をしたシングルマザーのホリー(マリサ・トメイ)を筆頭に、生徒たちは真剣。そんな心から映画を愛する彼らの情熱に触れるにつれ、キースの心の中でも何かが変わり始める──。人とのつながりで学んだ最も大切な人生のシナリオとは・・・






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個性が強すぎる3人の孫たち【海賊じいちゃんの贈りもの】 [映画にドロップキック!!]


海賊じいちゃんの贈りもの [DVD]

海賊じいちゃんの贈りもの [DVD]

  • 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)
  • 発売日: 2016/06/02
  • メディア: DVD

■ヒトコト感想
家族の物語。おじいちゃんの誕生日を祝うために、スコットランドに集まった家族たち。離婚寸前のタグとアビー夫婦。3人の子供たちは個性豊か。世間体を気にする伯父。精神的に不安定な伯母。おじいちゃんは幼い子供たちのことを不憫に思い、海岸へと連れていくのだが…。おじいちゃんは子供たちの目の前で息絶えてしまう。3人の子供たちはおじいちゃんを海に流し火葬する。

大騒ぎとなる家族たち。そして、この騒ぎをきっかけとして家族の絆は強くなる。おじいちゃんの自由気ままな行動と、何もかもお見通しな雰囲気が良い。3人の子供たちの個性もすばらしい。特に次女は鍵を隠す癖があったり、支離滅裂な言葉を発したりと周りを混乱させている。

■ストーリー
おじいちゃん(ビリー・コノリー)の誕生日を祝うために、スコットランドの自宅へ集まったマクラウド一家。しかし、別居中で破局寸前のダグ(デヴィット・テナント)とアビー(ロザムンド・パイク)夫婦、成金で世間体ばかり気にする伯父ギャビン(ベン・ミラー)、精神状態が不安定な伯母マーガレット(アメリア・バルモア)など大人たちの身勝手な都合に振り回されるおじいちゃんと3人の子供たち。そんな中、突如ある悲劇がおじいちゃんと子供たちにふりかかる。そして、純粋無垢な子供たちが起こした行動が引き金となり、一家は最大のピンチを迎えることに。彼らは果たしてこの窮地を乗り越えることができるのか、それとも―?






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北村薫のデビュー前作品が読める 【本と幸せ】 [書籍にドロップキック!!]


本と幸せ

本と幸せ

  • 作者: 薫, 北村
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2019/09/26
  • メディア: 単行本

■ヒトコト感想
北村薫のエッセイ集。本に関するうんちくや書評などが詰まっている。また自分の短編作品の中でのベスト12などもある。ファンにはたまらない作品だろう。ファンでもなんでもない人にとってはかなりハードルが高い作品であることは間違いない。書評にしても登場してくる本がそこまでメジャーなものではない。

どちらかというと古典や渋い作品ばかりだ。エッセイとしての面白さはある。作者の人となりがよくわかるというのもあるのかもしれない。まだ高校生の作者が描いたショートショートまである。作家として30年続けてこれたということは、もう大成功な部類だろう。落語だとか古典だとか、相変わらず自分にとってはついていけない部分があることは間違いない。

■ストーリー
作家デビュー30周年!近況がわかるエッセイ。秘蔵の初創作高校生のショートショート7篇公開。自選短篇ベスト12発表。全著作リスト。『読まずにはいられない』『書かずにはいられない』『愛さずにはいられない』「北村薫のエッセイ」3部作に続く最新エッセイ。特別愛蔵版。






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