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これがフランスの結婚式の様式か【セラヴィ!】 [映画にドロップキック!!]


セラヴィ! [DVD]

セラヴィ! [DVD]

  • 出版社/メーカー: Happinet
  • 発売日: 2019/11/02
  • メディア: DVD

■ヒトコト感想
ベテランウェディングプランナーのマックスが、様々なトラブルを抱えながら結婚式を成功させる物語だ。面白ドタバタ劇なのだが、フランスの結婚式の様式が良くわかる作品だ。古城を結婚式の舞台として利用しポンコツなスタッフたちと奮闘する。素人のウェイターに場違いな歌を歌う歌手グループ。食いしん坊で女好きなカメラマンに、新婦を口説こうとするスタッフまで。

これほどダメなスタッフたちの中で、結婚式の主役であり、主催者でもある新郎が嫌な奴ときている。成功する要素がないような結婚式ではあるが、絶妙な展開を見せている。多種多様な人種がスタッフとして参加しているのもよい。途中で無理だとあきらめてもよい展開だが、マックスが決してあきらめないのが良い。

■ストーリー
ウェディングプランナーとして30年間、数え切れないほどの結婚式をプロデュースしてきたマックス(ジャン=ピエール・バクリ)は、そろそろ引退を考えていた。そんなある日、17世紀の城を舞台にした豪華絢爛な結婚式の依頼が舞い込んだ。いつも通り式を成功させようと、完璧な準備を整えたのだが、なんと集まったスタッフたちが全員ポンコツ!!

バンドのボーカルは新郎の希望と真逆の歌を熱唱しワンマンショー気取り、カメラマンは写真撮影よりもつまみ食い、ウェイターは新婦にうつつを抜かし、おしゃべりに夢中…。マックスの努力も虚しく、次第に式は大惨事と化す…。前途多難すぎる結婚式、果たして、チーム一丸となって成功させることはできるのか!?






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死体を隠ぺいするため、島の人々を巻き込んでいく【ノイズ】 [映画にドロップキック!!]


ノイズ 通常版 DVD

ノイズ 通常版 DVD

  • 出版社/メーカー: バップ
  • 発売日: 2022/06/22
  • メディア: DVD

■ヒトコト感想
孤島にやってきた謎の男。突然殺人を犯し、怪しげな雰囲気を醸し出す。イチジク農家の圭太と親友の純はひょんなことから、その男を殺害してしまう。ここまではほんの序章にすぎないが、様々な要因が含まれている。人口の少ない孤島によそ者が来るとそれだけで目立つ。圭太の娘の姿が見えなかったことから、エスカレートしてしまったのだろう。

島の評判とこれからのイチジク農家を守るために、死体を隠ぺいしようとするのだが。。。県警の刑事たちが執拗に圭太に付きまとう。一つの嘘がまた別の嘘を発生させ、次の殺人へとつながってしまう。島の他の人々も巻き込んだ隠ぺい工作。どうにもならない嘘の現実に耐え切れなくなるものが出るのも当然だろう。

■ストーリー
絶海の孤島に突然現れた不気味な男。誰も名を知らないその男に家族を狙われた泉圭太(藤原竜也)は、親友の田辺純(松山ケンイチ)、新米警察官の守屋真一郎(神木隆之介)と共に、誤ってその男を殺してしまう。それは、圭太が生産した“黒イチジク”が人気となり、国からの交付金5億円が内定、過疎に苦しむ島に明るい未来が見えた矢先のことだった――。島の未来と大切な家族を守るため、3人は死体を隠蔽することを決意する。

「この男が消えたところで、だれも追ってこない」そう思っていた矢先、予想外の事態に発展する。なんと、その男は出所したばかりの凶悪犯(渡辺大和)で、足取りを追う刑事(永瀬正敏)らが島に大挙して押し寄せてきたのだ!24時間体制で執拗な捜査を繰り返す県警。その包囲網が圭太たちを追い詰める…<島の生活を守る為に死体を隠す者>と<正義の為に島の生活を踏みにじる者>との攻防が島民たちにも広がっていき、島の日常は崩れ落ち、少しずつ狂っていく…差出人不明の不気味なメール、次々と増えていく死体、壊れていく絆…誰が味方で敵なのかもわからない極限状態の中で、“ある人物”がとんでもない罠を仕掛けていた…






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長期間における金庫破りの計画【バニシング'72】 [映画にドロップキック!!]


バニシング '72 [DVD]

バニシング '72 [DVD]

  • 出版社/メーカー: Happinet
  • 発売日: 2020/04/02
  • メディア: DVD

■ヒトコト感想
72年の物語。実際にカリフォルニアを舞台に起きた銀行の金庫破りを描いた作品。冒頭からハリーの独白から始まる。基本的にはハリーの過去の回想であり、モーリーとの別れ話がすすんでいく。この二人はどうやって出会ったのか。ハリーは何をやったのか。ニクソンの秘密資金を奪うまでの流れは小気味良い。警報装置を無効化し、手際よく天井に穴をあけて貸金庫に入り込む。

そこでニクソンの秘密資金の30億を手に入れようとするのだが…。完璧な計画であったが、ちょっとしたことでハリーたちの素性がばれてしまう。事件を調査するFBIはそこまで有能な雰囲気はない。偶然犯人への手がかりを見つけ、そこからハリーたちを追いかける。ラストの展開はなんだか妙に物悲しい。

■ストーリー
1972年、ハリー・バーバーと彼の叔父達は、ニクソン大統領が再選する為の秘密資金30億円が保管されているカリフォルニア銀行を襲う計画を企てていた。彼らは用意周到に準備し、銀行に侵入することに成功するが、秘密資金は見つからない。FBIの捜査によりバラバラに逃亡していたメンバーの身元が判明、指名手配されてしまう。ただ一人逃走したハリーは、モーリーと運命の出会いがあり恋人となるが、彼女の父親は保安官だった。そして月日は流れ、ハリーはモーリーに罪を告白するが…。FBIに追われる逃走犯達、カリフォルニアを舞台に繰り広げられる愛と逃亡のクライムアクション!






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巨大なイベントを開催する苦悩の最高レベルだ【メットガラ ドレスをまとった美術館】 [映画にドロップキック!!]


メットガラ ドレスをまとった美術館 [DVD]

メットガラ ドレスをまとった美術館 [DVD]

  • 出版社/メーカー: アルバトロス
  • 発売日: 2017/10/04
  • メディア: DVD

■ヒトコト感想
メトロポリタン美術館で世界最大のファッションイベントが開催された。その主催者は「プラダを着た悪魔」のモデルとなったVOGUE編集長のアナだ。ファッションイベントが開催されるまで、様々な紆余曲折がある。特に印象的なのは、招待客を誰にするのかということと、席の配置をどうするかという部分だ。限られたセレブだけを招待する。ニュースでよく見るレッドカーペットを歩く映像は、招待客だけの特権だ。

演出の映画監督やメットのキュレーターやアジア美術部門の責任者など、様々な利害関係者たちの思いが錯綜する。開催日までギリギリとなり、あれがないこれがない。間に合わないだとか、徹夜だとか、この手の流れは定番なのかもしれない。

■ストーリー
メトロポリタン美術館(通称:メット)にて、年に一度開催される世界最大のファッションイベント《メットガラ》。その主催者は、ファッション誌US版「VOGUE」編集長で、メット理事でもあるアナ・ウィンター。彼女が主催するこのイベントの目的は、服飾部門の活動資金調達(アナが理事就任してからの活動資金総額は1億2千万ドル超)。そんなイベント開催に向け、アナとコンビを組むのはメットのキュレーター、アンドリュー・ボルトン。

彼は従来の服飾展示を脱却した挑発的な展示で人々から絶賛を浴び、アナからも一目を置かれていた。そして二人は、15年の企画展「鏡の中の中国」に向け、アジア美術部門に企画を持ち込むが、様々な問題が発生し…。本作は史上最多の入場者数を記録した展示会の制作過程やスタッフ、豪華セレブ陣に密着した、至福ドキュメンタリーである。






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インチキ宗教から宗教2世を救い出せ 【神の呪われた子 池袋ウェストゲートパーク19】 [書籍にドロップキック!!]


神の呪われた子 池袋ウエストゲートパークXIX

神の呪われた子 池袋ウエストゲートパークXIX

  • 作者: 石田 衣良
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2023/09/11
  • メディア: 単行本

■ヒトコト感想
IWGPシリーズの第19弾。世の中の流れに合わせて様々な事件が発生し、それを池袋のトラブルシューターである誠が解決する。仮にリアルタイムに時間が経過していたとしたら誠は50代だろう。いつまでも20代で小さな果物屋の店番をしている誠がトラブルを解決する。推し活がエスカレートした結果、推しの個人情報を売買するサイトまで出来上がるのは異常だ。

ヴィンテージのウィスキーが億に到達するなんてのは、全く知らなかった。宗教2世の問題については、少し前に話題になっていた某宗教団体のニュースが大きいのだろう。結論から言うと、すべてGボーイズとタカシの力を使って解決しているので、誠が直接何かをしたわけではない。ワンパターンではあるが、事件が時事を意識しているので新しさを感じるのだろう。

■ストーリー
インチキ教祖から宗教2世の少女を救い出せ!ウイスキーバブル、過激な推し活、連続強盗団……停滞する日本で起こっているトラブルに、マコトが立ち向かう。シリーズ第19弾。女子高生のルカは、父親が亡くなり、新興宗教「天国の木」に走った母親に養育放棄されている宗教2世だ。

マコトや自身も宗教2世だった子ども食堂の主催者・アズはルカに親身に接するが、彼女が教祖の目に留まり、花嫁候補に選ばれてしまう。さらに、教団には教祖直属で荒事を請け負う部署があり、マコトたちに悪質な嫌がらせを仕掛けてくる。マコトとタカシは、Gボーイズを動員し、ルカを救い教団をたたく計画を練るが……。表題作のほか、投機目的で高騰するビンテージ・ウイスキーを狙うバイヤー、過激な推し活をする〈私生(サセン)〉、闇バイトの連続強盗団が登場。難破船さながらの日本で起きている事件を鮮やかに切り取る全4編。






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不登校生徒たちそれぞれの思い【かがみの孤城】 [映画にドロップキック!!]


映画『かがみの孤城』(完全生産限定版) [Blu-ray]

映画『かがみの孤城』(完全生産限定版) [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: アニプレックス
  • 発売日: 2023/06/28
  • メディア: Blu-ray

■ヒトコト感想
原作は未読。まったく予備知識なしに見た。いじめを苦に不登校となったこころ。突然部屋の鏡が光りだし吸い込まれると、そこはおとぎ話にでてくるような城だった。同じようにお城に連れてこられた子供は7人いた。なんの説明もなく集められた子供たち。城に隠された鍵を見つけると、なんでも願いをかなえてもらえる。こころはいじめてきた女子がいなくなればよいと思っていたのだが…。

本作のポイントは、集められた子供たちが皆不登校で学校にいけないということだ。何かつながりがあるのか。それぞれの子供たちは個性があり、決して不登校になりそうなタイプではない子供もいる。それぞれが人に言えない秘密があり、後半で怒涛のネタバレがある。

■ストーリー
学校での居場所をなくし部屋に閉じこもっていた中学生・こころ。ある日突然部屋の鏡が光り出し、吸い込まれるように中に入ると、そこにはおとぎ話に出てくるようなお城と見ず知らずの中学生6人が。さらに「オオカミさま」と呼ばれる狼のお面をかぶった女の子が現れ、「城に隠された鍵を見つければ、どんな願いでも叶えてやろう」と告げる。期限は約1年間。

戸惑いつつも鍵を探しながら共に過ごすうち、7人には一つの共通点があることがわかる。互いの抱える事情が少しずつ明らかになり、次第に心を通わせていくこころたち。そしてお城が7人にとって特別な居場所に変わり始めた頃、ある出来事が彼らを襲う――――果たして鍵は見つかるのか?なぜこの7人が集められたのか?それぞれが胸に秘めた〈人に言えない願い〉とは?全ての謎が明らかになるとき、想像を超える奇跡が待ち受ける――






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太って薄毛のクリスチャン・ベイル【アメリカン・ハッスル】 [映画にドロップキック!!]


アメリカン・ハッスル スペシャル・プライス [Blu-ray]

アメリカン・ハッスル スペシャル・プライス [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)
  • 発売日: 2015/07/02
  • メディア: Blu-ray

■ヒトコト感想
実際に起きた詐欺事件を描いた作品。クリスチャン・ベイルが太った薄毛のアーヴィンを演じるのだが、本当に太っているのがすさまじい。相変わらずの肉体改造具合だ。詐欺師のアーヴィンと愛人のシドニーがFBIに逮捕され、イカれた捜査官のリッチーに捜査協力をすることで無罪放免されることを狙う。政治家とマフィアを罠にはめて逮捕することを考えるのだが…。

アーヴィンの妻のロザリンが邪魔をする。アーヴィンにはめられる市長のカーマインが哀れでならない。心底アーヴィンのことを信頼していたのだが、最後の最後に裏切られ、そのことをアーヴィンに告白される場面は強烈だ。家族ぐるみの付き合いだけに、それらがすべて嘘だと分かった時の、カーマインの家族の絶望的な表情は印象的だ。

■ストーリー
汚職政治家を捕まえるため、FBI捜査官が協力を依頼したのは・・・天才詐欺師!全世界が驚いた、まさかの実話!完全犯罪を続けてきた天才詐欺師アーヴィン・ローゼンフェルド(クリスチャン・ベイル)と、そのビジネス・パートナーにして愛人のシドニー(エイミー・アダムス)。遂に逮捕された二人は、イカれたFBI捜査官リッチー(ブラッドリー・クーパー)に、自由の身と引き換えに捜査協力を強いられる。

それは偽のアラブの大富豪を使って、アトランティック・シティのカジノの利権に群がる政治家とマフィアを罠にハメるという危険な作戦だった。ターゲットはカーマイン(ジェレミー・レナー)。しかし、アーヴィンの妻ロザリン(ジェニファー・ローレンス)が、アーヴィンとシドニーへの嫉妬から捜査をブチ壊す動きを見せるが・・・。最後の1秒まで騙し合う5人。果たして、最後に笑うのは誰だ!!!!!






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作者の実体験をふくめたオカルト風な短編集 【オカルト】 [書籍にドロップキック!!]


オカルト (新潮文庫 た 75-3)

オカルト (新潮文庫 た 75-3)

  • 作者: 田口 ランディ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2004/10/01
  • メディア: 文庫

■ヒトコト感想
田口ランディの短編集。実生活での経験をそのまま描いたようなエッセイ風な作品もある。作者がこれまで経験してきたオカルト風な体験がメインで描かれている。印象的なのは、作者の兄の死亡関係なのだろう。兄が孤独死し、死体がドロドロに溶けたという部分がその後の作者の様々なトラウマとなっている。また、虫に好かれるというのも印象的だ。

普通に横になっていたら蜘蛛が耳の中に入ってくるなんてのは普通ではない。母親の死期を悟り、何でもないときに、家族を連れて母親に会いにいくなど、虫の知らせのような雰囲気を感じさせる作品だ。長年付き合ってきた男友達の話や、世の中の理不尽なことについても作者の思いっきりのよい言いっぷりが最高だ。

■ストーリー
母はいちごあめの瓶を抱きしめて、嬉しそうに笑っていた。母の魂だったのだろうか。暗くなった山道を漕ぎながら、私はなぜかおろおろと泣いていた―。ぎゅっと、畏怖を、抱きしめるもうひとつの世界との交感。散文35篇。






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イギリスはスーツでアメリカはカウボーイ?【キングスマン:ゴールデン・サークル】 [映画にドロップキック!!]


キングスマン:ゴールデン・サークル [Blu-ray]

キングスマン:ゴールデン・サークル [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
  • 発売日: 2018/10/17
  • メディア: Blu-ray

■ヒトコト感想
「キングスマン」を見ていないと楽しめないだろう。今回の敵は謎の麻薬組織だ。序盤で、いきなりキングスマンの組織が滅亡させられてしまう。キングスマンの生き残りであるエグジーが頼ったのは、アメリカのスパイ組織であるステイツマンだった。イギリスがキングスマンで、アメリカがステイツマン。キングスマンがスーツでびしっと決めているのに対して、ステイツマンはカウボーイという微妙にダサいのがポイントだろう。

攻撃の仕方が縄を使って相手をほんろうするという、戦い方も微妙にダサい。前作で死亡したと思われたハリーが復活するのは熱い展開だ。ぶっ飛んだスパイ映画で、アクションが人間離れしてはいるが、エンターティンメントの要素は強いので、だれでも楽しめるだろう。

■ストーリー
人類抹殺計画から世界を救って1年後、世界最強のスパイ機関、キングスマンのエグジーは一流エージェントに成長していた。だがある日、謎の組織ゴールデン・サークルからの突然の攻撃により、キングスマンの拠点は壊滅。生き残ったエグジーとメカニック担当のマーリンは、同盟機関に協力を得るためアメリカへ向かう。

表向きはバーボン・ウイスキーの蒸留所を経営するコテコテにアメリカンなスパイ機関、ステイツマンと合流した2人は、彼らのNo.1エージェントと共に組織の行方を追い始める。一方、ゴールデン・サークルは、世界中の麻薬使用者を人質にした驚愕の陰謀を始動させていた……。果たして、エグジーたちはその陰謀を阻止することができるのか!?






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いわくつきの作品だからこそある恐怖 【夜果つるところ】 [書籍にドロップキック!!]


夜果つるところ (集英社文芸単行本)

夜果つるところ (集英社文芸単行本)

  • 作者: 恩田陸
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2023/06/26
  • メディア: Kindle版

■ヒトコト感想
「鈍色幻視行」に登場した呪われた作品。過去に三度も映像化が進行したものの、そのたびに関係者が死亡し一度も完成したことのない呪われた作品。一体どのような内容なのか…。それが本作ということになっている。その事前情報があればこそ、確かに変な恐ろしさがある。この世のものではない霊が見える子供。

遊郭にいる三人の母親。産みの親、育ての親、名義上の親。それぞれの風変わりな日々と、頻繁に訪ねてくる「カーキ色」(兵士)の男たち。オカルト的な逸話がある作品と知って読むと、妙な不気味さがある。昭和初期の物語であり、何かしら革命を目指していたが失敗したこと。タブーに触れているようでもあり、呪われるという噂が真実のように思えてくる作品だ。

■ストーリー
遊廓「墜月荘」で暮らす「私」には、三人の母がいる。日がな鳥籠を眺める産みの母・和江。身の回りのことを教えてくれる育ての母・莢子。無表情で帳場に立つ名義上の母・文子。ある時、「私」は館に出入りする男たちの宴会に迷い込む。着流しの笹野、背広を着た子爵、軍服の久我原。なぜか彼らに近しさを感じる「私」。だがそれは、夥しい血が流れる惨劇の始まりで……。謎多き作家「飯合梓」によって執筆された、幻の一冊。『鈍色幻視行』の登場人物たちの心を捉えて離さない、美しくも惨烈な幻想譚。






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