不可能な状況からの抜け道【寝台特急「はやぶさ」1/60秒の壁】 [書籍にドロップキック!!]
■ヒトコト感想
「死者が飲む水」と同じ流れをくむ作品だ。物理的に不可能と思われた状況で、事件が起こる。すでに死んでいるはずの女が、寝台特急で東京から九州へ向かう。それは、この世のものではないモノを印象づけつつ、論理的な答えを最後に示している。今回も時間との戦いで、数分単位の攻防だ。風呂に浸かったまま死んだ女の死亡推定時刻が曖昧なため、それなりの猶予はあるが、それでも、印象として”不可能”としか思えない。すでに死んでいるか、死ぬ直前、もしくは死んだあとの女が、寝台特急に乗って熊本まで行く。その驚愕なトリックとは…。この手の時刻表トリックが好きな人にはたまらないだろう。刑事やその他のキャラクターが平凡なことが、逆にトリックを際立たせている。
■ストーリー
双眼鏡で覗きをしていた男が、豪華マンションの浴室で顔の皮をはがされた若い女の死体を発見!だが、割り出された死亡推定時刻に彼女は、「はやぶさ」に乗っていた。不可能を可能にしたトリツクは何か?時間の壁と“完全犯罪”に敢然と挑む捜査一課の吉敷竹史の前に、第二、第三の殺人が…。
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