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三体世界が地球を侵略 【三体Ⅲ 上】 [書籍にドロップキック!!]


三体Ⅲ 死神永生 上

三体Ⅲ 死神永生 上

  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2021/05/25
  • メディア: Kindle版

■ヒトコト感想
前作で三体世界との闘いはいったんは終わったかに思われた。抑止計画により三体世界との友好関係が築かれたかに思われたのだが…。三体世界が強引に攻め込んでくる。その際に新たな抑止のカギを握る程心は、抑止のボタンを押すことができない。地球や三体世界の文明を滅ぼす抑止計画を実現するのには相当な胆力が必要だ。そこから、三体世界での地球支配がはじまるのだが…。

二転三転する中で、抑止のボタンが押され、三体世界は地球から撤退していく。そこからさらに強烈なのは、三体世界の星があっさりと爆破されるくだりだ。四次元との邂逅や宇宙に潜んでいる正体不明のハンターなど、より恐ろしい展開が続いていく。地球が無害な存在だと外部にアピールすることでハンターから逃れられるというのは強烈だ。

■ストーリー
圧倒的な技術力を持つ異星文明・三体世界の太陽系侵略に対抗すべく立案された地球文明の切り札「面壁計画」。その背後で、極秘の仰天プランが進んでいた。侵略艦隊の懐に、人類のスパイをひとり送る――奇想天外なこの「階梯計画」を実現に導いたのは、若き航空宇宙エンジニアの程心(チェン・シン)。計画の鍵を握るのは、学生時代、彼女の友人だった孤独な男・雲天明(ユン・ティエンミン)。

この二人の関係が人類文明の――いや、宇宙全体の――運命を動かすとは、まだ誰も知らなかった……。一方、三体文明が太陽系に送り込んだ極微スーパーコンピュータ・智子(ソフォン)は、たえず人類の監視を続けていた。面壁者・羅輯(ルオ・ジー)の秘策により三体文明の地球侵略が抑止されたあとも、智子は女性型ロボットに姿を変え、二つの世界の橋渡し的な存在となっていたが……。






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時代は常に最悪を更新し続けている? 【銃を置け、戦争を終わらせよう 未踏の破局における思索】 [書籍にドロップキック!!]


銃を置け、戦争を終わらせよう 未踏の破局における思索

銃を置け、戦争を終わらせよう 未踏の破局における思索

  • 作者: 髙村 薫
  • 出版社/メーカー: 毎日新聞出版
  • 発売日: 2023/07/31
  • メディア: 単行本

■ヒトコト感想
高村薫がシリーズとしてエッセイを描く。これまでにも「時代へ、世界へ、理想へ 同時代クロニクル」「作家は時代の神経である」がそれぞれの時期のエッセイとして描かれていた。今回は2022年のエッセイとなっている。様々な政治的な不正や、元首相の殺害事件。統一教会の問題などについて語られている。

ロシアとウクライナの戦争で世界は混沌とした中で、賃金が上がらない日本ではどのように日々を過ごしていくのか。こうやって改めてエッセイでその年に起きた出来事を描かれると、かなり激動の年だというのがわかる。日本に住んでいると戦争はどこか遠い世界の話のような気がするが、物価高などで日常生活に影響があると、否が応でも感じてしまう。

■ストーリー
未踏の破局を凝視する作家が新たなヴィジョンを語る、現代の羅針盤。戦争の時代のリアルな平和論。






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衝撃的な内容のエッセイ集 【できればムカつかずに生きたい】 [書籍にドロップキック!!]


できればムカつかずに生きたい(新潮文庫)

できればムカつかずに生きたい(新潮文庫)

  • 作者: 田口ランディ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2013/05/17
  • メディア: Kindle版

■ヒトコト感想
強烈な作品だ。作者の兄のことや、家族のことについてはその他のエッセイである程度知っていたが、これほど赤裸々に語られると衝撃を受けてしまう。特に作者の家族関係についてのエッセイは衝撃的すぎる。ひきこもりの兄が死んだ経緯を事細かに語っている。DVの父親とノイローゼの母親。本作だけ読むと、なぜ作者だけがそんな環境の中でまともに育ったのかが疑問に思うほどだ。

かなりハードモードな人生であることは間違いない。作家として成功し、自分の思いを赤裸々に語る。兄が死に母親が死に、DVの父親とふたりっきりになった時の父親との距離感。世間にある様々な問題が、この家族に凝縮されたような感じだ。今だから言えるというのもあるのかもしれないが…。衝撃的な作品だ。

■ストーリー
引きこもりの末亡くなった兄のこと、大人に絶望していた17歳の頃について、少女たちの心情、「いじめ」の本質について考えたこと…。生きにくいこの時代で悩み考え抜いて得た、ヘヴィでリアルな心の処方箋。






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誰もダリアの魅力に抗えない 【ダリア】 [書籍にドロップキック!!]


ダリア

ダリア

  • 作者: 辻 仁成
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2009/10/01
  • メディア: 単行本

■ヒトコト感想
ダリアという男が家にやってきた。連作短編集である本作。青年ダリアがやってきたことで、祖父、母親、父親、娘、息子それぞれに変化が訪れる。それぞれの視点で描かれる本作。最初に祖父の視点での物語がスタートする。半ばボケかけている祖父の視点では、まだ物語は良くわからない状態となる。

そこから人妻がダリアと出会い、制御されていく様が強烈に描かれている。ダリアはいつの間にか家族の心を虜にし、家に住み着くまでになる。父親がかすかに危機感を覚えてはいるのだが…。短編それぞれを読むだけでは全容は理解できない。各短編を読むことで、ダリアの影響力の強さと家族を支配する流れが描かれている。ただ、ダリアの目的は最後までわからない。

■ストーリー
その男が家にやってきた日から、妻のスープの味が濃くなった。野蛮さとまがまがしさを瞳に宿す、褐色の肌の青年ダリア。彼はすれ違いの一瞬で、平凡な人妻の心を奪い、冒涜の愉楽へと誘い出す。やがてその矛先は家族にも向かっていくが…。果たしてダリアとは何者か。美と悪徳が明滅する官能的な筆致から、もうひとつの現実世界への扉を開く衝撃作。作家生活20周年記念作品。






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三体世界の文明ははるか先へと進んでいた 【三体Ⅱ 下】 [書籍にドロップキック!!]


三体Ⅱ 黒暗森林(下)

三体Ⅱ 黒暗森林(下)

  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2020/06/18
  • メディア: Kindle版

■ヒトコト感想
強烈な展開だ。三体世界の巨大艦隊はまだやってこないが、調査船が1隻近づいている。面壁者の一部は冬眠し二百年後に目を覚ます。この二百年後にどうなっているのかが、描かれている。予想に反して二百年後は楽観論に満ちていた。技術が進歩し、二千隻もの宇宙艦隊が完成しており、三体艦隊を迎え撃つ準備はできていた。

このシリーズでは、想像もつかない展開が続いているのがすばらしい。これまでのSFではまったく描かれてこなかった新しい世界。面壁者の一人が考えた、思想を固定する仕組みは強烈だ。その仕組みを入れた瞬間に、水を毒と感じると暗示をかけられると、二度と水を飲むことができない。人類の根深い敗北主義から逃れるには頭に勝利を植え付けるしかないのだろう。

■ストーリー
三体世界の巨大艦隊は、刻一刻と太陽系に迫りつつあった。地球文明をはるかに超える技術力を持つ侵略者に対抗する最後の希望は、四人の面壁者(ウォールフェイサー)。人類を救うための秘策は、智子(ソフォン)にも覗き見ることができない、彼らの頭の中だけにある。面壁者の中でただひとり無名の男、羅輯(ルオ・ジー)が考え出した起死回生の“呪文"とは&? lt; br&/gt; 二百年後、人工冬眠から蘇生した羅輯は、かつて自分の警護を担当していた史強(シー・チアン)と再会し、激変した未来社会に驚嘆する。二千隻余から成る太陽系艦隊に、いよいよ出撃の時が近づいていた。






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鎌倉暮らしの日常エッセイ 【今日の空の色】 [書籍にドロップキック!!]


今日の空の色 (幻冬舎文庫)

今日の空の色 (幻冬舎文庫)

  • 作者: 小川 糸
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2015/08/05
  • メディア: 文庫

■ヒトコト感想
小川糸の日常エッセイ。いつにもまして日記的な印象が強い。鎌倉に小さな古い家を借りてペンギンとは別居状態となる。仲が悪くてそうなったのではなく、単純にペンギンは東京で仕事があったかららしい。鎌倉の家はスマホもテレビもない。デジタルデトックスな状態。ご近所さんと仲良くしながら、鎌倉での日々を過ごす。エッセイの中には作者のプライベートな部分に踏み込んだエッセイもある。

不妊治療に挑んでいただとかは、今までのエッセイにはない内容だ。深刻に陥りがちな話題ではある。他エッセイでは仲の良い姪っ子の話が頻繁に登場するなど、それなりに意識していたというのは間違いない。のんびりとした日常を描いたエッセイではあるが、たまにスパイスがある。

■ストーリー
鎌倉に小さな古い家を借りて、久し振りの一人暮らし。朝は早起きしてお寺の座禅会に参加し、夜は屋上でビール片手に満天の星を観る。ペンギンと恋人のように待ち合わせして夕食を楽しんだり、近くの小川をホタルと一緒にお散歩したり。携帯もテレビもない不便な暮らしを楽しみながら、本当に大切なことに気付く日々を綴った大人気日記エッセイ。






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過去に戻り歴史を変えろ 【11/22/63 上】 [書籍にドロップキック!!]


11/22/63 上 (文春文庫 キ 2-49)

11/22/63 上 (文春文庫 キ 2-49)

  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2016/10/07
  • メディア: 文庫

■ヒトコト感想
過去に通じている扉をくぐり、過去を変えようとする物語だ。その扉をくぐると1958年に通じている。過去でどれだけ時間を過ごしても、現在では数分しか経過していない。親友のアルからケネディ暗殺を阻止するために平凡な国語教師であるジェイクが過去へと向かう。過去に戻り、歴史を変えたとしても、現在へ戻りもう一度過去に戻ると前に変えた歴史はリセットされてしまう。

上巻では悲惨な経験をした同僚の過去を変えるために、奔走する。父親により一家が惨殺され、一人生き残ったハリーの歴史を変えるために父親であるダニングの殺害を決意するのだが…。過去で一番の違いは物価だろう。その恩恵を受けながら歴史を変えることの苦悩を味わう。

■ストーリー
1963年11月22日――11/22/63。ケネディ暗殺を阻止するため、僕は過去への旅に出る。平凡な国語教師ジェイクは死期の迫った友人アルから「1958年にタイムトラベルできる扉」の存在を知らされる。その扉は常に1958年に通じており、「過去」でどんなに長く過ごそうとも、「現在」に戻ればわずか数分しか経過していないという性質をもっていた。アルはジェイクに果たせなかった夢を託す――ケネディ大統領暗殺の阻止。

アルは何度も過去へ旅をし、暗殺阻止を試みてきた。しかし「歴史」は容易な改変を拒み、企ては失敗を繰り返してきた。ジェイクは友人の悲願を引き継ぐことを約束した。ジェイクは「過去」へと旅をして、そこで暮らしながら歴史との戦いを開始した。しかし歴史改変は困難をきわめた。ある悲劇を阻止すれば別の悲劇が発生し、ジェイクは苦悩する。何度も旅を繰り返し、ジェイクは徐々に暗殺の核心へとにじり寄ってゆく――






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ジョジョの舞台となった観光地紹介 【地球の歩き方 JOJO ジョジョの奇妙な冒険】 [書籍にドロップキック!!]


地球の歩き方 JOJO ジョジョの奇妙な冒険

地球の歩き方 JOJO ジョジョの奇妙な冒険

  • 出版社/メーカー: 学研プラス
  • 発売日: 2022/07/14
  • メディア: 単行本

■ヒトコト感想
地球の歩き方がジョジョとコラボをしている作品。確かにジョジョは海外を舞台にした物語が多い。長期連載された作品であり、情報量は多く、現実の世界とリンクする部分も多いのだろう。ジョジョファンとしては、どれくらいのコラボ具合かと思い読んでみたのだが…。思いのほかジョジョの要素は少ない。合間にジョジョの印象的なシーンが描かれてはいるが、特別ジョジョという感じはない。

使い方としては、ガチのジョジョファンが海外へ聖地巡礼する際に、ちょっと参考にするという程度だろうか。本作の大半がジョジョに登場した観光地の紹介となっている。ジョジョにだけ興味があり、海外に興味がない人にはつらいかもしれない。ファンアイテムのひとつか?

■ストーリー
『ジョジョの奇妙な冒険』の35周年を記念して、 杜王町から世界各地に至るまで、第1部~第8部の舞台を地球の歩き方が徹底紹介! 荒木飛呂彦先生の「 旅 」にまつわるロングインタビューも掲載。






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インチキ宗教から宗教2世を救い出せ 【神の呪われた子 池袋ウェストゲートパーク19】 [書籍にドロップキック!!]


神の呪われた子 池袋ウエストゲートパークXIX

神の呪われた子 池袋ウエストゲートパークXIX

  • 作者: 石田 衣良
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2023/09/11
  • メディア: 単行本

■ヒトコト感想
IWGPシリーズの第19弾。世の中の流れに合わせて様々な事件が発生し、それを池袋のトラブルシューターである誠が解決する。仮にリアルタイムに時間が経過していたとしたら誠は50代だろう。いつまでも20代で小さな果物屋の店番をしている誠がトラブルを解決する。推し活がエスカレートした結果、推しの個人情報を売買するサイトまで出来上がるのは異常だ。

ヴィンテージのウィスキーが億に到達するなんてのは、全く知らなかった。宗教2世の問題については、少し前に話題になっていた某宗教団体のニュースが大きいのだろう。結論から言うと、すべてGボーイズとタカシの力を使って解決しているので、誠が直接何かをしたわけではない。ワンパターンではあるが、事件が時事を意識しているので新しさを感じるのだろう。

■ストーリー
インチキ教祖から宗教2世の少女を救い出せ!ウイスキーバブル、過激な推し活、連続強盗団……停滞する日本で起こっているトラブルに、マコトが立ち向かう。シリーズ第19弾。女子高生のルカは、父親が亡くなり、新興宗教「天国の木」に走った母親に養育放棄されている宗教2世だ。

マコトや自身も宗教2世だった子ども食堂の主催者・アズはルカに親身に接するが、彼女が教祖の目に留まり、花嫁候補に選ばれてしまう。さらに、教団には教祖直属で荒事を請け負う部署があり、マコトたちに悪質な嫌がらせを仕掛けてくる。マコトとタカシは、Gボーイズを動員し、ルカを救い教団をたたく計画を練るが……。表題作のほか、投機目的で高騰するビンテージ・ウイスキーを狙うバイヤー、過激な推し活をする〈私生(サセン)〉、闇バイトの連続強盗団が登場。難破船さながらの日本で起きている事件を鮮やかに切り取る全4編。






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作者の実体験をふくめたオカルト風な短編集 【オカルト】 [書籍にドロップキック!!]


オカルト (新潮文庫 た 75-3)

オカルト (新潮文庫 た 75-3)

  • 作者: 田口 ランディ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2004/10/01
  • メディア: 文庫

■ヒトコト感想
田口ランディの短編集。実生活での経験をそのまま描いたようなエッセイ風な作品もある。作者がこれまで経験してきたオカルト風な体験がメインで描かれている。印象的なのは、作者の兄の死亡関係なのだろう。兄が孤独死し、死体がドロドロに溶けたという部分がその後の作者の様々なトラウマとなっている。また、虫に好かれるというのも印象的だ。

普通に横になっていたら蜘蛛が耳の中に入ってくるなんてのは普通ではない。母親の死期を悟り、何でもないときに、家族を連れて母親に会いにいくなど、虫の知らせのような雰囲気を感じさせる作品だ。長年付き合ってきた男友達の話や、世の中の理不尽なことについても作者の思いっきりのよい言いっぷりが最高だ。

■ストーリー
母はいちごあめの瓶を抱きしめて、嬉しそうに笑っていた。母の魂だったのだろうか。暗くなった山道を漕ぎながら、私はなぜかおろおろと泣いていた―。ぎゅっと、畏怖を、抱きしめるもうひとつの世界との交感。散文35篇。






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