ニヤリと笑える皮肉【最後のメッセージ】 [書籍にドロップキック!!]
■ヒトコト感想
ブラックユーモア溢れるショートショート。サラリとなんの印象もなく終わる作品もあれば、ニヤリと笑いがでる作品もある。世相を反映させた作品であったり、今の時代からするとずいぶんと的外れな印象が拭い去れない作品もある。それでも、ありふれた日常の中で、ちょっとした変化や皮肉にまみれた出来事というのは、読んでいて爽快だ。教訓めいたものや、日本政府に対して痛烈な皮肉を投げつけている作品もある。20年以上も前の作品のはずが、今の日本政府にも当てはまってしまうというのが、さらに皮肉なことかもしれない。世相を如実に現した風刺的な物語は、時代がどれほど変わろうとも、変化しない部分があるのだろう。
■ストーリー
許せない。生かしてはおけない―惚れたホステスはとんでもない悪女だった。貯金をはたき、会社の金を使い込み、あげくにクビ。まじめ男の梨本は5年がかりの復讐を実行するが…。表題作「最期のメッセージ」を含め全42編のショートショート集。ありふれた日々の風景がいつのまにか異世界へすべり落ちていく。
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