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伏の悲しい人生【伏 贋作・里美八犬伝】 [書籍にドロップキック!!]

伏(ふせ) 贋作・里見八犬伝 (文春文庫)

伏(ふせ) 贋作・里見八犬伝 (文春文庫)

  • 作者: 桜庭 一樹
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2012/09/04
  • メディア: 文庫
■ヒトコト感想
人であって人ではない、犬の血が流れる伏が人間に害をなす。伏を狩る猟師・浜路が主人公の物語。里見八犬伝が作中に登場し、それをマネた偽の物語が贋作・里見八犬伝として登場する。一見すると人と変わらない容姿だが、犬のように四足で走り、人を噛み殺す。物語を読むと、恐ろしさというより、伏の悲しさばかりが印象に残っている。

寿命は犬と同じで20年ほど。人と変わらない生活を送り、正体がばれると暴れだす。猟師を恐れ日本中を逃げ回り、短い人生を終える。人に害をなすから狩られるのだろうが、狩る側と狩られる側であれば、狩られる側に同情してしまう。伏のキャラクターが秀逸なだけに、狩られるシーンというのは、言いようのない悲しさがつのる。

■ストーリー

伏―人であって人でなく、犬の血が流れる異形の者―による凶悪事件が頻発し、幕府はその首に懸賞金をかけた。ちっちゃな女の子の猟師・浜路は兄に誘われ、江戸へ伏狩りにやってきた。伏をめぐる、世にも不思議な因果の輪。光と影、背中あわせにあるものたちを色鮮やかに描く傑作エンターテインメント。

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