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少年が凶行に手を染めた理由【血の味】 [漫画にドロップキック!!]

血の味 (新潮文庫)

血の味 (新潮文庫)

  • 作者: 沢木 耕太郎
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2003/02/28
  • メディア: 文庫
■ヒトコト感想
純文学だがミステリー的な面白さがある。冒頭から衝撃的な告白があり、中学時代にいったい誰を殺したのか?というのが、回想形式で語られる。退屈な日々を過ごす中学生が、どんな経緯で凶行へと走ったのか。常に何かに不満を持ち、それを解決しようとしない。ありがちなドロップアウトしかけた中学生だ。

父親と二人暮らしで、目立った素行不良はない。ただ、言いようのないイライラのはけ口を求め、日々を彷徨うといった感じだろうか。現在の描写から過去につながる過程で、刺殺した相手に対するヒントがでてくる。それをそのまま鵜呑みにすると、ラストには大きな驚きが待っている。家族のあり方や、突然の殺意の意味を考えさせられる作品だ。

■ストーリー

「中学三年の冬、私は人を殺した」。二十年後の「私」は、忌まわしい事件の動機を振り返る――熱中した走幅跳びもやめてしまい、退屈な受験勉強の日々。不機嫌な教師、いきり立つ同級生、何も喋らずに本ばかり読んでいる父。周囲の空虚さに耐えきれない私は、いつもポケットにナイフを忍ばせていた……。「殺意」の裏に漂う少年期特有の苛立ちと哀しみを描き、波紋を呼んだ初の長編小説。

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