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現金その場限り【銀行狐】 [書籍にドロップキック!!]

銀行狐 (講談社文庫)

銀行狐 (講談社文庫)

  • 作者: 池井戸 潤
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2004/08/15
  • メディア: 文庫
■ヒトコト感想
銀行がらみの短編集。銀行の仕組みをたくみに利用したミステリアスな展開が面白い。融資の知識や企業倒産や手形の仕組みなど、元銀行員である作者だからこそ描ける作品だろう。一般人にはあまりなじみのない部分は詳しい説明があるので、専門用語だらけで混乱するようなことはない。

本作の短編の中には、銀行に勤めているからこそできることがある。特に他人の預金や個人情報などをあっさりと見ることができるのは、銀行員の特権だろう。本作を読むと、銀行員にはなんでも知られているのだろうと少し恐ろしくなる。普通預金口座の入出金で日々の生活の様子まで想像されるのは恐ろしい。少し銀行員を見る目が変わってしまうような作品だ。

■ストーリー

狐と署名された脅迫状が、帝都銀行頭取宛に届けられた。「あほどもへ てんちゅー くだす」。具体的な要求はないが、顧客情報漏洩、系列生保社員の襲撃と犯行はエスカレートする。狐の真意と正体は?(「銀行狐」)。元銀行マンの江戸川乱歩賞作家ならではの緻密でスリリングな表題作ほか、5編収録の短編集。

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