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複数の時空を超えたエピソードが絡み合う 【太陽待ち】 [書籍にドロップキック!!]


太陽待ち

太陽待ち

  • 作者: 辻 仁成
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2001/10/01
  • メディア: 単行本

■ヒトコト感想
新宿で撃たれたチンピラ。映画製作現場で美術を担当しているチンピラの弟。老映画監督。広島に原爆を落とすために活動したアメリカ兵。それぞれの時空を超えた回想が物語のメインとなっている。どのエピソードが印象深いかというと、一番は老映画監督が過去の日本の国策のために助監督として参加した南京での映画だ。

時代的なインパクトもそうだが、日本のために中国人のフェイファンがドキュメントを撮影する。その際の日本兵の中国人の虐殺もリアルに表現されている。それ以外には、兄の二郎が持っていたランドセルをしきりに探し求める藤沢という謎の男の存在が恐ろしい。複数のエピソードが絡みあい、時代を超えた何かを感じさせる作品だ。

■ストーリー
世紀末の新宿―撃たれた兄、その兄の、眠ることのできない元恋人、恐るべき過去を抱えた老映画監督、1937年南京―国策映画に駆り出された中国人少女、1945年広島―運命の日を迎える米兵捕虜…。異なる時代、空間を自在に往き来しつつ、愛と記憶の壮大な物語が展開する。






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