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どこまでが歴史的事実なのか【リベルタスの寓話】 [書籍にドロップキック!!]

リベルタスの寓話 (講談社文庫)

リベルタスの寓話 (講談社文庫)

  • 作者: 島田 荘司
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/08/12
  • メディア: 文庫
■ヒトコト感想
ふたつの中編が掲載された本作。表題作である「リベルタスの寓話」は強烈だ。歴史的事実の中にちょっとした虚構を交えるのだが、その境界線が限りなくあいまいだ。そのため、どこまで信じて良いのかわからなくなる。あとがきでそのあたりしっかりとフォローされているところからすると、作者自身も自分が考えた虚構の世界があまりにリアルなため、気になったのだろう。

リベルタスの伝説が描かれている前半は、かなり興味をそそられる内容だ。後半には事件の全容が明らかになるのだが、グロテスクな事件の割には、トリックが意外にあっさりしている。もうひとつの「クロアチア人の手」は、かなり強引な手法に思えてならない。

■ストーリー

ボスニア・ヘルツェゴヴィナで、酸鼻を極める切り裂き事件が起きた。心臓以外のすべての臓器が取り出され、電球や飯盒の蓋などが詰め込まれていたのだ。殺害の容疑者にはしかし、絶対のアリバイがあった。RPG世界の闇とこの事件が交差する謎に、天才・御手洗が挑む。中編「クロアチア人の手」も掲載。

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