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震災語の人びとは…【また次の春へ】 [書籍にドロップキック!!]

また次の春へ

また次の春へ

  • 作者: 重松 清
  • 出版社/メーカー: 扶桑社
  • 発売日: 2013/03/09
  • メディア: 単行本
■ヒトコト感想
東日本大震災後の東北を中心とした物語。ただでさえ過疎化がすすんだ村が震災により、さらに若者が離れていく悲しみ。そして、放射能により見えない毒がまき散らされる場所。怒りや憎しみというより、悲しみの色合いが強い。それぞれの短編に深く関わる震災の傷跡。虚構の物語なのだろうが、現実にありそうな物語ばかりだ。

震災により友達を亡くした物語。被災者に対して何か手助けできないかと考える家族の物語。震災後、行方不明となった年老いた両親に、いつ踏ん切りをつけるか悩む物語。震災を経験した人、震災にかかわった人は何かしら共感できるだろう。読んだときの精神状態によっては、泣けてくるかもしれない。東日本大震災は、とてつもなく多くの人びとに影響を与えたのだと、思い返さずにはいられない短編集だ。

■ストーリー

冬を越えたあとに待つ春を、また思う。次の春も、また次の春も、おだやかな暖かい日がつづくといい。「また次の春へ」より終わりから、始まる。厄災で断ち切られたもの、それでもまた巡り来るもの。喪失の悲しみと、再生への祈りを描く、7つの小さな物語。

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