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作家をテーマとしたミステリー短編集 【覆面作家】 [書籍にドロップキック!!]


覆面作家 (講談社文庫)

覆面作家 (講談社文庫)

  • 作者: 大沢 在昌
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2021/04/15
  • メディア: 文庫

■ヒトコト感想
大沢在昌の短編集。作家が主人公の作品が多いため、まるで作者自身が主人公のような印象がある。ハードボイルド風味は少ない。殺し屋をテーマとした作品もあるのだが、どちらかというと不思議な展開となる短編が多い。印象的なのは「カモ」だ。ある作家が美しい女性に賭けをしようと持ち掛けれれる。その賭けの内容はSEXをして妊娠するかしないかだ。

作家の方にはまったくデメリットがない。なぜ女はこんな賭けを男に持ち掛けたのか。作家の血液型だけを聞く女。この血液型というのである程度内容は想像できたのだが、ラストの展開は良い。存在を消された者たちが集まる「村」も、いかにもこの世界の中に存在しそうで面白い作品だ。

■ストーリー
嘘と真実の狭間に潜む、謎を「私」はあぶりだす。収録作品すべての語り手は、著者を彷彿とさせる「私」なる作家。自身の経験に裏打ちされたミステリーは、本当にすべてフィクションなのか?ハードボイルド&ミステリーの第一人者が満を持して放つ珠玉の作品集「幽霊」ある日、作家の「私」に接触してきた真野と名乗る正体不明の男。彼が語る内容を小説にして欲しいと言うが。

「村」携帯が圏外になるほどの僻地に、思いもよらぬ人物が集う「村」の秘密。「確認」キャバクラの勤め終わりの女性を、家まで車で送り届けるドライバーは何を隠しているのか。など、どれもが読了後、虚実の有無をいやが応にも考えさせられるミステリアスな作品集。






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