行きたくはないが、興味がある【辺境・近境】 [書籍にドロップキック!!]
■ヒトコト感想
リュック片手に旅にでる作者。この旅が、作者の文体と同じようにのんびりした旅に思えてしまう。非常に危険な目にあっているにも関わらず、なんでもないようなことのように描く。作者のエッセイは、自分の壺にはまれば面白いというのはわかっていた。旅エッセイといっても、当たり前の旅ではない。モンゴルの草原やメキシコのディープな町。ひたすらうどんを食べ続ける旅や、ただ、アメリカを車で横断するだけの旅。本作を読んで、同じような旅をしたいとは思わない。あえて人とは違う旅をし、その特別具合を特にアピールすることなく、淡々と見て感じたことをエッセイとする。作者の文体とあいまって、妙に引き込まれてしまうのはいつものことだ。
■ストーリー
久しぶりにリュックを肩にかけた。「うん、これだよ、この感じなんだ」めざすはモンゴル草原、北米横断、砂埃舞うメキシコの町…。NY郊外の超豪華コッテージに圧倒され、無人の島・からす島では虫の大群の大襲撃!旅の最後は震災に見舞われた故郷・神戸。ご存じ、写真のエイゾー君と、讃岐のディープなうどん紀行には、安西水丸画伯も飛び入り、ムラカミの旅は続きます。
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