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田舎での生きづらさが描かれている 【土の記 上】 [書籍にドロップキック!!]


土の記(上)

土の記(上)

  • 作者: 薫, 高村
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2016/11/25
  • メディア: 単行本

■ヒトコト感想
奈良の旧家の婿養子となった伊佐夫の物語。序盤ではどのような物語となるかは想像できない。妻が交通事故にあい、植物状態となり、その後死んだ。残された伊佐夫は、交通事故を起こしたダンプの運転手である山崎の死の知らせを聞き、昔を思い出す。物語としては、序盤ではごく普通の田舎の暮らしだが、だんだんと伊佐夫と妻であった昭代の関係が明らかとなってくる。

後半では交通事故は昭代が自らダンプに突っ込んだというような描写もある。伊佐夫と昭代の関係はうまくいっていなかった。昭代には実は男がいた、なんて話も登場してくる。娘である陽子は離婚しNYへと移住する。孫はテニスに明け暮れている。ごく普通の田舎に住んでいる者たちの心の奥底が覗けるような作品だ。

■ストーリー
東京の大学を出て関西の大手メーカーに就職し、奈良県は大宇陀の旧家の婿養子となった伊佐夫。特筆すべきことは何もない田舎の暮らしが、ほんとうは薄氷を踏むように脆いものであったのは、夫のせいか、妻のせいか。その妻を交通事故で失い、古希を迎えた伊佐夫は、残された棚田で黙々と米をつくる。






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