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死んだ幼馴染との期間限定の再会 【一ノ瀬ユウナが浮いている】 [書籍にドロップキック!!]


一ノ瀬ユウナが浮いている (ジャンプジェイブックスDIGITAL)

一ノ瀬ユウナが浮いている (ジャンプジェイブックスDIGITAL)

  • 作者: 乙一
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2021/11/26
  • メディア: Kindle版

■ヒトコト感想
乙一の作品。初期の「夏と花火と私の死体」に近い雰囲気を感じてしまう。幼馴染のユウナが突然死んだ。主人公だけがユウナの姿を見ることができる。死者と会話をする系の物語であり、お互いが意識しつつも決定的な言葉を言わないまま離れ離れになったふたりの微妙な雰囲気が伝わってくる。特別な線香花火に火をつけたときだけユウナと再会することができる。

ユウナがステレオタイプの幽霊のように、浮き上がり壁などもすり抜けることができる。なぜか主人公の体だけはつかまることができる。宇宙空間で支えがないとフワフワと浮いてしまうような感じだろう。タイトルは死んだあとのユウナの状況を表現しているのだろう。期間限定の再会というのはくるものがある。

■ストーリー
幼馴染みの一ノ瀬ユウナが、宙に浮いている。十七歳の時、水難事故で死んだはずのユウナは、当時の姿のまま、俺の目の前にいる。不思議なことだが、ユウナのお気に入りの線香花火を灯すと、俺にしか見えない彼女が姿を現すのだ。ユウナに会うため、伝えていない気持ちを抱えながら俺は何度も線香花火に火をつける。しかし、彼女を呼び出すことができる線香花火は、だんだんと減っていく――。






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