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旅先での何気ない写真だが、最高だ 【旅の窓】 [書籍にドロップキック!!]


旅の窓 (幻冬舎文庫)

旅の窓 (幻冬舎文庫)

  • 作者: 沢木 耕太郎
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2016/04/12
  • メディア: 文庫

■ヒトコト感想
作者が旅先で何気なく撮った写真に1ページの文章を添えた作品集。「深夜特急」などで多くの国を旅した作者が何気なく撮る写真がすばらしい。ただの風景ではなく、人を中心とした写真だ。印象的なのは、小さな少女が父親の写真を撮っている場面を映した写真だ。

少女に撮らせてとでも言われたのだろうか。父親の方は困惑した表情で立っている。少女が得意げに写真を撮るその空気感が伝わってくる。作者はその場面を見て印象的な文章を書いている。父親からすると、幼い少女を写真におさめたいのだろう。ただ、父親は自分一人が写る写真を見たときに、この状況を思い出して微笑むというのが良い。そのほか、作者独自の写真を見て想像した文章がすばらしい。

■ストーリー
「旅を続けていると、ぼんやり眼をやった風景のさらに向こうに、不意に私たちの内部の風景が見えてくることがある」。マラケシュのホテルで見た「待つ女」、ローマで旅愁を覚えた終着駅、カトマンズで胸をしめつけられた裸電球―。旅先で撮った八十一枚の写真から、人生の機微を描いた物語が立ち上がる。沢木耕太郎「もうひとつの旅の本」。






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