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死んだ幼馴染との期間限定の再会 【一ノ瀬ユウナが浮いている】 [書籍にドロップキック!!]


一ノ瀬ユウナが浮いている (ジャンプジェイブックスDIGITAL)

一ノ瀬ユウナが浮いている (ジャンプジェイブックスDIGITAL)

  • 作者: 乙一
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2021/11/26
  • メディア: Kindle版

■ヒトコト感想
乙一の作品。初期の「夏と花火と私の死体」に近い雰囲気を感じてしまう。幼馴染のユウナが突然死んだ。主人公だけがユウナの姿を見ることができる。死者と会話をする系の物語であり、お互いが意識しつつも決定的な言葉を言わないまま離れ離れになったふたりの微妙な雰囲気が伝わってくる。特別な線香花火に火をつけたときだけユウナと再会することができる。

ユウナがステレオタイプの幽霊のように、浮き上がり壁などもすり抜けることができる。なぜか主人公の体だけはつかまることができる。宇宙空間で支えがないとフワフワと浮いてしまうような感じだろう。タイトルは死んだあとのユウナの状況を表現しているのだろう。期間限定の再会というのはくるものがある。

■ストーリー
幼馴染みの一ノ瀬ユウナが、宙に浮いている。十七歳の時、水難事故で死んだはずのユウナは、当時の姿のまま、俺の目の前にいる。不思議なことだが、ユウナのお気に入りの線香花火を灯すと、俺にしか見えない彼女が姿を現すのだ。ユウナに会うため、伝えていない気持ちを抱えながら俺は何度も線香花火に火をつける。しかし、彼女を呼び出すことができる線香花火は、だんだんと減っていく――。






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おもいっきり戦いたい自衛官たち【戦国自衛隊】 [映画にドロップキック!!]


戦国自衛隊 角川映画 THE BEST [Blu-ray]

戦国自衛隊 角川映画 THE BEST [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
  • 発売日: 2019/02/08
  • メディア: Blu-ray

■ヒトコト感想
リメイク版はすでに見ている。リメイクの小説版も読んでいる。初めてオリジナル版を見たのだが、やはり相当の古臭さは否めない。ただ、リメイクにはない、自衛官たちの鬱屈した思いというのが強く感じられた。自衛隊として平和な日本で闘いのない日常を過ごすのか。

村を襲い、女を攫っては好き放題する。リメイク版はより戦略的な部分が強く描かれていたのだが、戦場の荒々しさというか、男くささを強烈に感じるのは本作の方だ。自衛官たちも一枚岩ではない。そもそも戦国時代で好き放題やりたいと考える者たちもいる。演出その他は時代を感じるが、この荒々しさはオリジナルならではだろう。自衛隊の戦車やヘリであっても敵兵の物量の前にはどうしようもないというのが伝わってきた。

■ストーリー
自衛隊の一個小隊が、大演習に参加するため、日本海沿岸の集合地点に向かっていた。突然、巨大な光の渦とともに異変が起こり、彼らは群雄割拠の戦国時代である400年前にタイムスリップしてしまう。そこで後の上杉謙信こと長尾平三景虎と出会った彼らは、景虎に協力し、近代兵器を使った戦術で戦国の世を勝ち進んでいく。だが、この戦国時代には正史とのズレがあり、その事実に気づいたものの……。






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オチのない作品【おちをつけなんせ】 [映画にドロップキック!!]

■ヒトコト感想
かなり特殊な作品だ。のんが監督をしたということで話題となっていたが、内容は…。田舎で暮らす高2の少女が進路のことで悩み、妖怪を見たりもする。親友は東京の大学へ進学する中で、ひとりおいてけぼりに感じる峰留見。おばあちゃんとの関係も微妙であったり、かなり個性的で難しい感じの少女だ。

ストーリーとしてはあってないような感じだ。自分の書いた絵を、親友が勝手にコンテストに応募したことに怒ったりもする。そのほか、くだらない理由で喧嘩をしたりもする。そのくせ、あっさりと仲直りしたりもする。ちょっと性格の悪い高2の少女が、天真爛漫に生活し、進路に悩む。ごく当たり前の日常なのかもしれないが、それだけの作品だ。

■ストーリー
岩手県遠野市に暮らす早池峰留見は、妖怪を空想したり絵を描いたりするのが好きな高校2年生。最近では60歳になった大好きなおばあちゃんが家を出て行ってしまい、学校では進路調査票の提出が迫っているが、なかなか進路を定めることができない。親友の希枝は東京の大学への進学を決めていて、周囲から取り残されたように感じる留見は、ますます妖怪の世界に逃避し……。

 




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人を癌にさせる細菌テロ 【ゲノムの方舟 上】 [書籍にドロップキック!!]


ゲノムの方舟 上 徳間文庫 さ 27-1

ゲノムの方舟 上 徳間文庫 さ 27-1

  • 作者: 佐々木 敏
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2022/07/07
  • メディア: 文庫

■ヒトコト感想
様々な要素が詰め込まれた作品。序盤では細菌テロが描かれており、そこから人権の話にまで。上巻の流れからはどのように展開していくのか不明だ。まだオバマが大統領になる前の作品なので、黒人や黄色人種などの差別も描かれている。初の黒人のアメリカ大統領になろうとするキング。謎の細菌テロにより、感染者は癌になり、それは人へ感染していく。細菌テロの封じ込めと人種や人権による問題が描かれている。

物語のカギを握るのは生物学者の井坂だろう。各国のスパイが重要人物扱いし、井坂の研究が軍事利用できることを暗示している。井坂の研究と序盤での細菌テロの関係性がどのように描かれていくのか。上巻でかなり広範囲に広げた風呂敷をどのようにして下巻でたたむのかがポイントだろう。

■ストーリー
世界人口が六十億を超え、人口爆発対策のためにジュネーブで開かれたWHO総会がテロリストに襲われた。やがて帰国した医学関係者の間に奇妙な病気が広がる…。その正体は?気鋭の遺伝子工学者井坂博史は、生物テロの影を見るのだが…。






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作られた怪物【ムルゲ 王朝の怪物】 [映画にドロップキック!!]


ムルゲ 王朝の怪物 [DVD]

ムルゲ 王朝の怪物 [DVD]

  • 出版社/メーカー: インターフィルム
  • 発売日: 2020/08/19
  • メディア: DVD

■ヒトコト感想
謎の怪物が現れた。姿を見せず人々の死体のみが存在する。冒頭から、怪物の恐怖がこれでもかと煽られている。ただ、実体としては国王の権力を奪うため、頼りない国王とレッテルをはるため、怪物騒ぎはでっち上げられていたのだが…。本当に怪物は存在した。

結局、この怪物の正体は様々な動物を掛け合わせて作り出された生物という流れだ。どこかデカくて動きの素早いクマのような風貌をしている怪物。民衆を不安にするために作り上げた怪物が実在した。物語のピークは、いないと思われた怪物が存在した場面だろう。それまで兵士たちが怪物の仕業として人を殺していたのだが…。本物の怪物は圧倒的な凶暴さで兵士たちに襲いかかる。怪物との闘いは定番的だ。

■ストーリー
国を救うのは、王か、武人か…それとも陰謀か?!朝鮮・中宗22年(1527年)―国に疫病が蔓延する中、宮廷の背後にそびえる仁王山(イナンサン)に“物怪"(ムルゲ)が現れるという噂が流れる。ムルゲと遭遇した人間は逃げおおせても疫病にかかり悲惨な死を迎えるという。民衆が恐怖と混乱に陥る中、それに乗じて11代中宗王の失権を目論む陰謀が密かに計画される。陰謀の匂いを感じた王は、民衆の不安と朝廷の危機を一






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当時の恋人も暴露する赤裸々エッセイ 【僕のヒコーキ雲 日記1994-1997】 [書籍にドロップキック!!]


僕のヒコーキ雲 日記1994-1997

僕のヒコーキ雲 日記1994-1997

  • 作者: 辻 仁成
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 1997/12/16
  • メディア: 単行本

■ヒトコト感想
辻仁成の日記風のエッセイ。いくつか作者のエッセイを読んだことがあるが、本作は初期の初期の時代。南果歩と結婚していたことに驚き、映画監督をしていたことにも驚いた。日記なので、その当時の状況がそのままエッセイとして描かれている。友達として付き合っていた南果歩との関係がそのままエッセイに登場してきたり。その後、結婚まで。付き合っている時代の恋人の名前をそのままエッセイにだすというのはかなりチャレンジングだ。

相手が有名人というのもあるのだろうが。そのあたりを気にしないのはロックなのかもしれない。映画監督や子供が生まれたことの困惑なども描かれている。意外なのは、かなり喧嘩早いという部分だ。

■ストーリー
高まる文学への熱、死ぬまでやめられないロック。初の映画監督作品「天使のわけまえ」。電撃結婚と長男の誕生。1994年から97年までの激動の日々の中での戸惑いと信念を日記風に綴ったエッセイ集。






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ネコ好きにはたまらない作品だ【劇場版 岩合光昭の世界ネコ歩き あるがままに、水と大地のネコ家族】 [映画にドロップキック!!]


劇場版 岩合光昭の世界ネコ歩き あるがままに、水と大地のネコ家族 [DVD]

劇場版 岩合光昭の世界ネコ歩き あるがままに、水と大地のネコ家族 [DVD]

  • 出版社/メーカー: NHKエンタープライズ
  • 発売日: 2021/09/24
  • メディア: DVD

■ヒトコト感想
ネコをひたすら追いかけ続けた作品。印象的なのは、牛舎で飼われているネコたちだ。放し飼いにされており、ネコのコミュニティが出来上がっている。作中ではネコ社会を想定してナレーションが入る。縄張りだとか独り立ちだとか。性格的に大人しいネコが独り立ちできずに苦労するなど、昔のムツゴロウ王国を思いださせるような流れがある。

ミャンマーの水の上で生活する人々に寄り添うネコの物語もまた強烈だ。建物が水の上に建っている状態。生まれたばかりの子ネコが誤って川に落ちてしまい、上がれずに苦労している場面もある。厳しい環境ではあるが、ネコたちはたくましく成長していく。ネコ好きにはたまらない作品かもしれない。

■ストーリー
ネコたちと、また旅をしよう一年かけて見つめ続けた、ネコたちのまっすぐ生きる姿。動物写真家・岩合光昭が、世界中のネコと出会い、心から撮りたいと願ったネコの“家族愛"。流れゆく季節の中でふたつの舞台を見つめます。ミャンマーのインレー湖。湖上に建つ小さな家にネコの家族とヒトの家族が暮らしています。寄り添い共に生きる絆が、美しい水面に輝きます。北海道の牧場では、たくさんの母ネコ、オスネコ、そして子ネコが、まっすぐに生きています。時に温かく、時に厳しく、ネコたちは成長し、自分なりの新たな世界を築いていきます。あるがままに…水と大地を舞台に繰り広げられる、ネコたちの愛と絆の物語です。






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真に恐ろしのはリアの方だ【パーフェクト・ガイ】 [映画にドロップキック!!]


パーフェクト・ガイ [DVD]

パーフェクト・ガイ [DVD]

  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • 発売日: 2016/10/05
  • メディア: DVD

■ヒトコト感想
リアは長年交際していたデイブと別れることになる。その後出会ったのは、すべてが完璧な男のダンカンだった。紳士的で男らしくそして知的で優しい。完璧な男であるダンカンにリアはぞっこんで両親に紹介したりもする。両親の受けも抜群だが…。ひとつだけ欠点があった。それはすぐにカッとなる部分だった。

リアが別れを告げると、そこからダンカンのストーカー行為が始まる。ダンカンがITの専門家ということで、あらゆる技術を使いリアにしつこく付きまとう。本作が恐ろしいのはダンカンがリアへ付きまといを辞めたあと、リアが逆にダンカンへ復讐する場面だ。いくらリアの周りがダンカンにより不幸になったとしても…。最終的にダンカンを破滅させようとするリアの恐ろしさを感じた。

■ストーリー
ロビイストのリアは、キャリアも恋愛も充実した日々を送っていたが、ある日、長年交際してきたデイブと結婚や家族についてひどい口論となった末、別れてしまう。落ち込んでいたリアの前に現れたのは、ハンサムで知的で優しく、非の打ち所のない完璧な男、ダンカンだった。すぐに恋に落ちた2人だったが、リアの両親に彼を紹介した帰り道、ケンカになった相手を執拗に殴り続けるダンカンを見て、リアは恐怖を覚える。そしてダンカンの本当の性格が明らかになるにつれ、リアは予想もしていなかったトラブルに巻き込まれていく…






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歯車で動き機器が緻密な絵で描かれている【スチームボーイ】 [映画にドロップキック!!]


スチームボーイ [Blu-ray]

スチームボーイ [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
  • 発売日: 2008/07/25
  • メディア: Blu-ray

■ヒトコト感想
大友克洋監督作品。歯車や機器の緻密な映像がすさまじい。19世紀のイギリスを舞台とした物語で、蒸気機関車が全盛の時期なのだろう。蒸気を利用し何かを動かすことがメインの時代、小さなボールの中に超高圧の蒸気が詰まっており、それを利用することで無限に機器を動作させることができる。今で言うところの無限に電力を発生させる機器のようなものか。

それを巡る争いが繰り広げられており、金属のボールで巨大な城が浮かび上がったりもする。主人公の少年レイが、実の父親と対立しながらボールを奪い取ろうとする。蒸気で巨大な城が動き出す場面は強烈だ。超高圧の蒸気が、そこから冷気に変化させたりもする。蒸気で動作する機器たちの映像のインパクトがすさまじい作品だ。

■ストーリー
19世紀半ば、世界初の万国博覧会を目前にしたイギリス。研究のため渡米中の発明家・父エディと祖父ロイドの帰りを待つレイ少年もまた、発明が大好きな男の子だ。そんなある日、レイのもとに謎の金属ボールが届く。祖父のロイドからだ。すると今度は、父と祖父をアメリカへ招いたオハラ財団の使者と名乗る男たちが現れ、ボールを奪おうとする。自作の一輪自走車に乗り、ボールを抱えて逃げ出すレイ。

だが蒸気歯車メカで追いかけてくる男たちに捕まり、万国博覧会のパビリオンに閉じこめられてしまう。そこでレイはアメリカにいるはずの父エディと再会し、金属ボールの秘密を知る。超高圧力の蒸気を高密度に封じ込めた球体。それは人類の歴史を塗り変える力を秘めた驚異の発明〈スチームボール〉だったのだ! 財団はその力を兵器として世界中に売りさばこうとしていた。

「おじいちゃんは、戦争のためにスチームボールを発明したんじゃない!」レイと財団のボールをめぐる争いは、やがてイギリス軍までが出動する大騒ぎになる。その騒動の中、スチームボールのさらなる秘密が明らかに……。科学とは、人類の希望なのか、それとも禁断の知識なのか。科学の持ちうる真のパワーを信じ、レイは《スチームボーイ》となって大空へ飛びたつ!






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スタローンはスーツ姿が意外に似合う【デッドフォール】 [映画にドロップキック!!]


デッドフォール [Blu-ray]

デッドフォール [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • 発売日: 2010/04/21
  • メディア: Blu-ray

■ヒトコト感想
スタローンとカートラッセルの刑事コンビが激しいアクションを繰り返す。ロスでどちらが一番の刑事かを争うあたり、二人がライバル関係にあるというのがわかる。どちらかというと、タンゴはスーツスタイルでスマートな刑事で、キャッシュはカジュアルで荒っぽい感じだ。二人を邪魔に感じた組織が無実の罪でふたりを刑務所に送り込んでしまう。

今まで悪人たちを刑務所にぶち込んできたふたりなだけに、刑務所でふたりは囚人たちに襲われたりもする。全体的にシリアスな雰囲気ではなく、ちょっとコメディが入った展開だ。刑務所を脱出したふたりが、自分たちをはめた者たちへ復讐を続けるのが良い。スタローンが割とスタイリッシュな雰囲気なのが意外だった。

■ストーリー
S.スタローン&K.ラッセルが魅せる男同士の絆!陰謀を打ち破く刑事アクションが炸裂!!ロス市警きっての腕利き刑事タンゴ&キャッシュ。ただし2人の相性は最悪。そんなある日、ひとつの事件をきっかけに2人の関係は180度転換する。FBI捜査官殺害の罪で、こともあろうにタンゴとキャッシュが犯人にされてしまう。罠を仕掛けたのはシンジケートのドン、ペレット。2つの正義が手を組んだとき、彼らを阻止できるものは誰もいない!スタローンがアルマーニのスーツに身を包み、映画で初めてダンディな役に挑戦。それまでの寡黙なイメージを一新したハード・ポリス・アクション。






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