SSブログ

不倫を夫に隠さない妻 【もっと悪い妻】 [書籍にドロップキック!!]


もっと悪い妻 (文春e-book)

もっと悪い妻 (文春e-book)

  • 作者: 桐野 夏生
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2023/06/23
  • メディア: Kindle版

■ヒトコト感想
六作の短編を収録した本作。タイトルに「もっと」とついているので、かなり悪い妻が描かれているのかと思いきや…。そこまで悪いという感じではない。俗にいう主婦の不満というか…。「みなしご」は妻と死別し資産のアパートの取り壊しを計画するが、そこに住む中年女性だけが残ることになり…。主人公の男は親切心で店子の女性に転居先を紹介するのだが…

中年男の一人暮らしは、何かと不自由であり、身の回りの世話をしてくれる女性がいればよいのだが…。店子の中年女性と結婚することを決意するのだが…。ラストで店子の女性に息子がいることが判明する。これが何が悪いのか?特に悪い妻という印象はない。そのほかの短編も、あえて結末まで描かない展開が続いていく。

■ストーリー
男たちの身勝手さを、一行で打ち砕く桐野文学の極北!夫公認のもと、元恋人と自由な時間を過ごす妻を描いた表題作「もっと悪い妻」など、計六作の短編を収録。「麻耶は大事だと思っている人が他にいるの?」「いるよ。男でも親友になれるよ」「それはそうだろうけれど。困ったな」(「もっと悪い妻」より)ネット上で〈悪妻〉と批判されることに悩むバンドのヴォーカルの妻を描いた「悪い妻」。妻と離婚した後、若い女性にしつこく迫る壮年の男性の哀歓を伝える「武蔵野線」など、男と女のカタチを切り取った現代の「悪妻論」。






nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ: