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超能力バトルの前哨戦 【ドクター・スリープ 上】 [書籍にドロップキック!!]


ドクター・スリープ 上 (文春文庫)

ドクター・スリープ 上 (文春文庫)

  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2018/01/04
  • メディア: Kindle版

■ヒトコト感想
本作を映画化した作品である「ドクター・スリープ」はすでに見ていた。そこで映画版での野球少年から命気を吸い取る場面がかなり強烈な印象として残っていた。また、登場人物についてもコリポレの影響だろうかアブラーが黒人の少女になっていたり、言葉で相手に催眠を仕掛ける女も少女となっている。ただ、原作ならでわの濃密な展開が良い。

ダンの少年時代のトラウマと、その後の生活。そして、アブラーが幼少期から苦悩しながら生活し、その能力の強さから早いうちにシルクハットの女に目をつけられていたこと。アブラーとダンが出会う場面も強烈だ。映画版は2時間という枠組みの中で、かなり駆け足で表現されていたというのがよくわかる。

■ストーリー
冬季閉鎖中のホテルで起きた惨劇から30年。超能力“かがやき”をもつかつての少年ダンは、大人になった今も過去に苦しみながら、ホスピスで働いていた。ある日、彼の元に奇妙なメッセージが届く。差出人は同じ“かがやき”をもつ少女。その出会いが新たな惨劇の扉を開いた。






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学校の地下にある死の世界への入口 【ピアニシモ・ピアニシモ】 [書籍にドロップキック!!]


ピアニシモ・ピアニシモ

ピアニシモ・ピアニシモ

  • 作者: 辻 仁成
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2007/04/16
  • メディア: 単行本

■ヒトコト感想
「ピアニシモ」の続編となる本作。前作ではヒカルという別人格を作って精神の均衡を保っていたトオル。本作ではトオルが意図せずヒカルが動き回ることで、トオルとしてはヒカルはすでに自分の別人格ではないかと思い始めている。物語はトオルとヒカルの関係や、トオルが通う中学に謎の殺人者が住み着き、少女の幽霊が出るという噂がメインとなる。地下にはもうひとつの学校があり、死の世界への入り口となっている。

LGBTの話やトオルの両親との関係などが複雑に絡み合い、物語はすすんでいく。ヒカルはトオル側というよりは、トオルに敵対するような立場となっている。死の世界からトオルは親友を助け出すことができるのか。幽霊だとかそのあたりの話が強い物語となっている。

■ストーリー
教室でもチャットルームでも「いるだけの人」トオル、彼にしか見えない親友ヒカル。孤独な少年がマンモス中学の闇に挑む。殺人者が潜み、少女の幽霊が彷徨い、地下にはもう一つの学校が。死の世界の只中へ、希望と想像力だけを武器に降りて行く、初めて愛した人を救うために。少年の奇跡を描ききった傑作長篇。






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真人間になりたい元ヤクザ【すばらしき世界】 [映画にドロップキック!!]


すばらしき世界 Blu-ray

すばらしき世界 Blu-ray

  • 出版社/メーカー: バンダイナムコアーツ
  • 発売日: 2021/10/06
  • メディア: Blu-ray

■ヒトコト感想
元やくざの受刑者が13年の刑期を終えて出所した。身元引受人の庄司とその妻の温かさに心打たれる三上。ただ、世間はそこまで甘くない。前科持ちは正業に就くのがむずかしい。三上の性格的なものから、すぐにカッとなり喧嘩をしてしまう部分がある。テレビのディレクターから三上は母親を探すために番組出演を依頼されたりもする。

三上自身の気持ちとしては普通に仕事をしたい。刑務所に入っている間に免許を失効してしまい、教習所に通ったりもする。元殺人犯である三上は町でチンピラにサラリーマンが襲われている場でサラリーマンを助けたりもする。その際に、チンピラをぼこぼこにしすぎたため、ディレクターの津乃田に引かれたりもする。温かい人もいれば、前科者に対して冷たいのが普通なのかもしれない。

■ストーリー
冬の旭川刑務所でひとりの受刑者が13年の刑期を終えた。刑務官に見送られてバスに乗ったその男、三上正夫(役所広司)は上京し、身元引受人の弁護士、庄司(橋爪功)とその妻、敦子(梶芽衣子)に迎えられる。その頃、テレビの制作会社を辞めたばかりで小説家を志す青年、津乃田(仲野太賀)のもとに、やり手のTVプロデューサー、吉澤(長澤まさみ)から仕事の依頼が届いていた。取材対象は三上。

吉澤は前科者の三上が心を入れ替えて社会に復帰し、生き別れた母親と涙ながらに再会するというストーリーを思い描き、感動のドキュメンタリー番組に仕立てたいと考えていた。生活が苦しい津乃田はその依頼を請け負う。しかし、この取材には大きな問題があった。三上はまぎれもない“元殺人犯"なのだ。津乃田は表紙に“身分帳"と書かれたノートに目を通した。


身分帳とは、刑務所の受刑者の経歴を事細かに記した個人台帳のようなもの。三上が自分の身分帳を書き写したそのノートには、彼の生い立ちや犯罪歴などが几帳面な文字でびっしりと綴られていた。人生の大半を刑務所で過ごしてきた三上の壮絶な過去に、津乃田は嫌な寒気を覚えた。






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新種のウィルスが人の細胞を老化させる 【君が見たのは誰の夢?】 [書籍にドロップキック!!]


君が見たのは誰の夢? Whose Dream Did You See? WWシリーズ (講談社タイガ)

君が見たのは誰の夢? Whose Dream Did You See? WWシリーズ (講談社タイガ)

  • 作者: 森博嗣
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2023/04/14
  • メディア: Kindle版

■ヒトコト感想
ウォーカロンシリーズ。グアトとロジの物語だ。ウォーカロンであるロジの体に異変が起こる。新種のウィルスに感染している可能性があり、そのウィルスに感染した者たちが何者かに拉致される。人が死ななくなり、子供が生まれなくなった未来の世界で、新種のウイルスはどのような害を与えるのか。人工知能やマガタシキなど、いつものキーワードはそのままに新たな展開を描いている。

面白いのは、バーチャルの世界が全盛となり、人は物理的な争いをなくし、肉体を捨ててバーチャルの世界で生きることを選択する部分だ。AIや技術の進化、そしてバーチャルの世界の発展は、もしかしたら地球規模の環境破壊を食い止める技術なのかもしれない。新種のウィルスの役目は秀逸だ。

■ストーリー
ドイツで受けた精密検査でロジに不具合が見つかった。詳しく調べるため、グアトと共に日本へ帰国。情報局本部に近い病院へ入院した。そのロジの診断データが、外部に漏洩しているという。ロジは、まったく未知の新種ウィルスに感染している可能性があり、何者かがその情報を探っていると思われた。ロジを心配して病院へ向かうグアトは、そこでロジの姉と称する女性と出会うが。






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今から2分で家を出ていけ!【ドリームホーム 99%を操る男たち】 [映画にドロップキック!!]



■ヒトコト感想
サブプライムローンの影響でローンが払えずに家を奪われる家族が続出したのだろうか。裁判所から最後通告が来てからも、家に住み続けるしかない。突然、不動産業者と保安官がやってきて2分以内に貴重品を持って家から出ていけといわれる。かなり強烈なシーンだ。銀行の持ち物となった家に不法占拠してるということらしい。

弁護士に連絡していると家族が言い訳しても有無を言わさぬ迫力がある。不動産ビジネスとして奪った家を利用して巧みに儲けている。物語は家を奪われた男が不動産屋に雇われ逆に家を奪う立場になる男を描いている。家を奪われた者たちが行き着く先がモーテルというのもアメリカらしい。モーテルに住む方が金がかかるのでは?と思うのは日本人だけだろう。

■ストーリー
<家>を守るために人間ができる事とは?かけがえのない〈家〉を突然奪われた、1人の男。何気ない生活と家族の場所を取り戻す為、非情なビジネスに加担した男を待つ、壮絶な運命とは?






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女性陣のキャラクターが秀逸だ【そして、バトンは渡された】 [映画にドロップキック!!]


そして、バトンは渡された [DVD]

そして、バトンは渡された [DVD]

  • 出版社/メーカー: Warner Entertainment Japan Inc for JP-DVD
  • 発売日: 2022/04/06
  • メディア: DVD

■ヒトコト感想
女性陣のキャラクターが秀逸なので楽しく見ることができる。構成の妙とういか、序盤では森宮さんと女子高生の優子の義理の父娘の二人暮らしと、魔性の女である梨花と義理の娘のみぃたんの物語が交差するように語られている。一見、関係のないようなこの二つの家族が実は…。この構成のネタは見ているとうっすらと感じることができる。そして、中盤にネタばれし、家族の構成がはっきりする。

そこから、なぜそんな複雑な家族となったかが語られるのだが…。これは男女の性別が逆であれば全く楽しめない物語となりそうだ。梨花は自由奔放に再婚し続ける。みぃたんは3人の父親と2人の母親が家族となる。梨花の奔放さがその原因なのだが…。なぜ梨花がそこまで再婚し続けたのかが語られることになる。

■ストーリー
血の繋がらない親に育てられ、4回も苗字が変わった森宮優子は、わけあって料理上手な義理の父、森宮さんと2人暮らし。今は卒業式に向けてピアノを猛特訓中。将来のこと、恋のこと、友達のこと、うまくいかないことばかり…。一方、梨花は、何度も夫を替えながら自由奔放に生きている魔性の女。泣き虫な娘のみぃたんに目一杯愛情を注いで暮らしているようだったが、ある日突然、愛娘を残して姿を消してしまった。

そして、優子のもとに届いた1通の手紙をきっかけに、まったく別々の物語が引き寄せられるように交差していく。「優子ちゃん、実はさ…」森宮さんもまた優子に隠していた秘密があった。父が隠していたこととは?梨花はなぜ消えたのか? 親たちがついた《命をかけた嘘》、《知ってはいけない秘密》とはいったい何なのか。2つの家族が繋がり、やがて紐解かれる《命をかけた嘘と秘密》。物語がクライマックスを迎え、タイトルの本当の意味を知ったとき、極上の驚きと最大の感動がとめどなく押し寄せる――。






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未知のウィルスが充満した機内【非常宣言】 [映画にドロップキック!!]


非常宣言 豪華版 [Blu-ray]

非常宣言 豪華版 [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: Happinet
  • 発売日: 2023/06/02
  • メディア: Blu-ray

■ヒトコト感想
飛行機内部でもし即効性のある細菌がまかれたとしたら。。。ハワイへ向けて飛び立った飛行機内部でバイオテロが発生した。ポイントはそれら非常事態において、飛行機内部から外部へ連絡を取る手段が機長の無線だけでなく、乗客の携帯電話でもとれるということだ。乗客たちはニュースでバイオテロが起きたことを知る。そして、右往左往ありながら、未知のウィルスなのでアメリカや日本の空港への着陸を拒否されたことを知る。

今までのこの手の物語であれば、機長のみにその情報が入り、乗客は何も知らないまま過ごすしかない。韓国の空港でさえも韓国国民から着陸を拒否されていることを知る乗客。となると、乗客が選ぶ手段としては…。SNSの時代を反映させた作品だ。

■ストーリー
娘とハワイへ向かう飛行機恐怖症のジェヒョク(イ・ビョンホン)は、空港で執拗にふたりにつきまとう謎の若い男(イム・シワン)が、同じ便に搭乗したことを知り不安がよぎる。KI501便はハワイに向け飛び立つが、離陸後間もなくして、1人の乗客男性が死亡。直後に、次々と乗客が原因不明で死亡し、機内は恐怖とパニックの渦に包まれていく。一方、地上では、妻とのハワイ旅行をキャンセルしたベテラン刑事のク・イノ(ソン・ガンホ)が警察署にいた。

飛行機へのバイオテロの犯行予告動画がアップされ、捜査を開始するが、その飛行機は妻が搭乗した便だったことを知る。また、テロの知らせを受けた国土交通大臣のスッキ(チョン・ドヨン)は、緊急着陸のために国内外に交渉を開始する。副操縦士のヒョンス(キム・ナムギル)は、乗客の命を守るため奮闘するが、飛行を続けるタイムリミットが迫り、「非常宣言」を発動。しかし、機体はついに操縦不能となり、地上へと急降下していく。見えないウイルスによる恐怖と、墜落の恐怖。高度28,000フィート上空の愛する人を救う方法はあるのか?!






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証拠を残さない完璧な殺人鬼【Mr.ブルックス 完璧なる殺人鬼】 [映画にドロップキック!!]


Mr.ブルックス 完璧なる殺人鬼 [レンタル落ち]

Mr.ブルックス 完璧なる殺人鬼 [レンタル落ち]

  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2009/01/01
  • メディア: DVD

■ヒトコト感想
ケビン・コスナーが有能な実業家であり完璧な殺人者を演じる。実業家のアールは殺人の衝動が抑えられない。常にアールは心の中に別の人格をもち、その人物と会話をしたりもする。アールは家族思いで実業家としては非の打ちどころがない。久しぶりに殺人の衝動が抑えられず、若いカップルを殺してしまう。証拠を残さない完全な殺人かと思いきや…。

アールの完璧ぶりがすさまじい。娘が実は大学で殺人を起こしていたという衝撃の事実がのちにわかるが、それまでは完璧な人生を過ごしていた。殺人現場の向かいのアパートに住むスミスに証拠を握られるのだが、それを完璧にいなしている。ラストの展開もよい。ただ、ラストの衝撃的な展開を夢オチにするのはどうなのだろうか。。

■ストーリー
オレゴン州ポートランドで、頭部に銃弾を浴びた若いカップルの全裸死体が発見された。現場に残されていたのは、被害者の血で捺された指紋。この2年間沈黙を保っていた“指紋の殺人鬼”が再び動き出した……。指紋の殺人鬼の正体は地元のセレブリティとして名高い大物実業家アール・ブルックス(ケビン・コスナー)だった。家族思いの実業家にして、残忍な連続殺人鬼。それまで完璧にコントロールされていたブルックスの二重生活が思わぬミスにより綻び始める。

カップル殺害の一部始終を、向かいのアパートに住むスミス(デイン・クック)に撮影されていたのだ。さらに“指紋の殺人鬼”逮捕に執念を燃やす女性刑事アトウッド(デミ・ムーア)も、着実にブルックスに迫ってきていた。もはや後戻りできないブルックスは、最後の完全犯罪を実行する決意を固めるのだが……。






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嘘の概念がない三体世界 【三体Ⅱ 上】 [書籍にドロップキック!!]


三体Ⅱ 黒暗森林 上

三体Ⅱ 黒暗森林 上

  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2020/06/18
  • メディア: 単行本

■ヒトコト感想
前作で三体世界からの侵略が確定となった人類。三体世界からの侵略に備えた人類はどのような手段をとるのか。智子により人類の情報は三体世界に筒抜けとなる。ただ、ここで三体世界の新たな真実が判明する。生物たちのコミュニケーションの取り方として、考えたことがすぐさま相手に情報として伝わる。つまり思考を隠すという概念がない。

すさまじい設定だ。単純なエイリアンとして三体世界を描いていない。人類が想像できない新たな世界が本作では描かれている。そんな特殊な三体世界からの侵略に対して人類が選んだ対抗手段は…。面壁計画だった。4人の面壁者を選び、その人物は三体世界の侵略に備え、独自の対策をとることを許可される人物だった。

■ストーリー
人類に絶望した天体物理学者・葉文潔(イエ・ウェンジエ)が宇宙に向けて発信したメッセージは、三つの太陽を持つ異星文明・三体世界に届いた。新天地を求める三体文明は、千隻を超える侵略艦隊を組織し、地球へと送り出す。太陽系到達は四百数十年後。人類よりはるかに進んだ技術力を持つ三体艦隊との対決という未曾有の危機に直面した人類は、国連惑星防衛理事会(PDC)を設立し、防衛計画の柱となる宇宙軍を創設する。

だが、人類のあらゆる活動は三体文明から送り込まれた極微スーパーコンピュータ・智子(ソフォン)に監視されていた! このままでは三体艦隊との“終末決戦”に敗北することは必定。絶望的な状況を打開するため、前代未聞の「面壁計画(ウォールフェイサー・プロジェクト)」が発動。人類の命運は、四人の面壁者に託される。そして、葉文潔から“宇宙社会学の公理”を託された羅輯(ルオ・ジー)の決断とは?






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