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人の意思がクスノキの中に残る 【クスノキの番人】 [書籍にドロップキック!!]


クスノキの番人

クスノキの番人

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2020/03/17
  • メディア: ハードカバー

■ヒトコト感想
素行不良で起訴されかかった玲斗を助けたのは玲斗の叔母にあたる千舟だった。玲斗がクスノキの番人の仕事をすることになり、不思議な物語がスタートする。当たり前のようにクスノキに人が何かを念じると、その念を肉親であれば感じ取ることができるらしい。物語としてミステリアスな展開があるわけではない。

序盤ではクスノキへ祈念することにどのような意味があるのか、玲斗が理解できていないので、読者も同じようにクスノキにどのような秘密があるかがミステリアスな部分だった。巨大な企業の創業家である柳沢家。そこの顧問である千舟。玲斗は場違いな雰囲気がありながら、クスノキの番人として成長していく。ミステリアスな部分は弱い。

■ストーリー
その木に祈れば、願いが叶うと言われているクスノキ。その番人を任された青年と、クスノキのもとへ祈念に訪れる人々の織りなす物語。不当な理由で職場を解雇され、その腹いせに罪を犯し逮捕されてしまった玲斗。同情を買おうと取調官に訴えるが、その甲斐もなく送検、起訴を待つ身となってしまった。そこへ突然弁護士が現れる。依頼人の命令を聞くなら釈放してくれるというのだ。依頼人に心当たりはないが、このままでは間違いなく刑務所だ。

そこで賭けに出た玲斗は従うことに。依頼人の待つ場所へ向かうと、年配の女性が待っていた。千舟と名乗るその女性は驚くことに伯母でもあるというのだ。あまり褒められた生き方をせず、将来の展望もないと言う玲斗に彼女が命令をする。「あなたにしてもらいたいこと――それはクスノキの番人です」と。






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