SSブログ

謎の黒い影が最後につきまとう 【淵の王】 [書籍にドロップキック!!]


淵の王(新潮文庫)

淵の王(新潮文庫)

  • 作者: 舞城王太郎
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2018/05/18
  • メディア: Kindle版

■ヒトコト感想
舞城王太郎作品。今までの作品はわけのわからないという印象が強かった。3作の中編からなる本作。ホラーの要素が強いのだが最初の2作は終盤までほとんどホラーの要素がでてこなかった。3人の人物を中心とした物語となっている。特に印象的なのは中島さおりの物語だ。友達がいつの間にかマインドコントロールされている下りは恐ろしい。

女友達が妊娠し子供を産んで、その子供と一人ぐらしの家に入り浸る。いつのまにか良いように食い物にされている。世間でよくあるパターンなのかもしれない。友達はいつの間にかそうされており、電話で苦しさを告白するのだが…。会って話をするとなんでもない、自分の意志でやっていると答える。この感覚は恐ろしい。

■ストーリー
中島さおりは“影”に憑依された幼児に襲いかかられる。堀江果歩のマンガには、描いた覚えがない黒髪の女が現れる。中村悟堂が移り住んだ西暁町の家の屋根裏部屋には、闇の穴が黒々と開いている。「俺は君を食べるし、今も食べてるよ」。真っ暗坊主――それはあなたの眼前にもきっと現れる。日常を浸食する魔、そして狂気。作家・舞城王太郎の集大成、恐ろしくて、切ない、傑作ホラー長篇。






nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ: