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実際に起きた誘拐事件をモデルとした衝撃作 【罪の轍】 [書籍にドロップキック!!]


罪の轍

罪の轍

  • 作者: 英朗, 奥田
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2019/08/20
  • メディア: 単行本

■ヒトコト感想
実際に起きた誘拐事件をモデルにしているのだろうが、とんでもなく濃い物語だ。誘拐犯がどのような人生を送ってきたのか。場あたり的だが幼少期のトラウマから感情を喪失したことで、警察の取り調べから逃れ続ける。一方警察は誘拐犯を取り逃がしたことから世間の批判の的となる。犯人側の人間関係と警察内部の事情がとんでもなく濃密だ。

犯人は相手に詰め寄られると感情をなくす。そのため、警察の取り調べでは確たる証拠を得ることができない。警察の捜査は99の無駄なことをすることで1の真実を手に入れる。まさにそれがそのまま表現されている作品だ。犯人側がどのような状態になれば完オチするのか。終盤でもまだ犯人がオチる気配を感じることができないため、ページをめくる手を止められない作品だ。

■ストーリー
刑事たちの執念の捜査×容疑者の壮絶な孤独――。犯罪小説の最高峰、ここに誕生! 東京オリンピックを翌年に控えた昭和38年。浅草で男児誘拐事件が発生し、日本中を恐怖と怒りの渦に叩き込んだ。事件を担当する捜査一課の落合昌夫は、子供達から「莫迦」と呼ばれる北国訛りの男の噂を聞く――。世間から置き去りにされた人間の孤独を、緊迫感あふれる描写と圧倒的リアリティで描く社会派ミステリの真髄。






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