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誰もダリアの魅力に抗えない 【ダリア】 [書籍にドロップキック!!]


ダリア

ダリア

  • 作者: 辻 仁成
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2009/10/01
  • メディア: 単行本

■ヒトコト感想
ダリアという男が家にやってきた。連作短編集である本作。青年ダリアがやってきたことで、祖父、母親、父親、娘、息子それぞれに変化が訪れる。それぞれの視点で描かれる本作。最初に祖父の視点での物語がスタートする。半ばボケかけている祖父の視点では、まだ物語は良くわからない状態となる。

そこから人妻がダリアと出会い、制御されていく様が強烈に描かれている。ダリアはいつの間にか家族の心を虜にし、家に住み着くまでになる。父親がかすかに危機感を覚えてはいるのだが…。短編それぞれを読むだけでは全容は理解できない。各短編を読むことで、ダリアの影響力の強さと家族を支配する流れが描かれている。ただ、ダリアの目的は最後までわからない。

■ストーリー
その男が家にやってきた日から、妻のスープの味が濃くなった。野蛮さとまがまがしさを瞳に宿す、褐色の肌の青年ダリア。彼はすれ違いの一瞬で、平凡な人妻の心を奪い、冒涜の愉楽へと誘い出す。やがてその矛先は家族にも向かっていくが…。果たしてダリアとは何者か。美と悪徳が明滅する官能的な筆致から、もうひとつの現実世界への扉を開く衝撃作。作家生活20周年記念作品。






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