悲劇で結ばれた人々【家族狩り 第五部 まだ遠い光】 [書籍にドロップキック!!]
■ヒトコト感想
家族狩りシリーズの最後を飾るにふさわしい作品だ。主要キャラクターの中で、真犯人のターゲットにされつつある亜衣の家族。そこに、馬三原や巣藤が関係していく。第四部までの印象から、真犯人像とまったくかけ離れたイメージの人物が犯人とわかり衝撃をうけた。
本作では、真犯人が残酷な行為へ手を染めるにいたる思考原理が細かく描かれている。表面をなぞるのではなく、心の奥底からの語りなだけに強烈なインパクトがある。宗教的な要素をもちつつ、残酷な行為の正当性を語る真犯人。到底、理解できることではないが、犯人像としての違和感はなくなった。結末として、多くの主要キャラクターが何かしらの決着をつけたので、読後感は良い。
■ストーリー
浚介は游子の病室を訪れた。二つの心は、次第に寄り添ってゆく。山賀と大野は、哀しみを抱えた家の扉を叩く。ふたりの耳は、ただひとつの言葉を求めている。冬島母子をめぐり争い続けてきた、馬見原と油井。彼らの互いへの憎しみは、いま臨界点を迎えている――。悲劇によって結ばれた人びとは、奔流のなかで、自らの生に目覚めてゆく。永遠に語り継がれる傑作、第五部=完結篇。
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家族狩りシリーズの最後を飾るにふさわしい作品だ。主要キャラクターの中で、真犯人のターゲットにされつつある亜衣の家族。そこに、馬三原や巣藤が関係していく。第四部までの印象から、真犯人像とまったくかけ離れたイメージの人物が犯人とわかり衝撃をうけた。
本作では、真犯人が残酷な行為へ手を染めるにいたる思考原理が細かく描かれている。表面をなぞるのではなく、心の奥底からの語りなだけに強烈なインパクトがある。宗教的な要素をもちつつ、残酷な行為の正当性を語る真犯人。到底、理解できることではないが、犯人像としての違和感はなくなった。結末として、多くの主要キャラクターが何かしらの決着をつけたので、読後感は良い。
■ストーリー
浚介は游子の病室を訪れた。二つの心は、次第に寄り添ってゆく。山賀と大野は、哀しみを抱えた家の扉を叩く。ふたりの耳は、ただひとつの言葉を求めている。冬島母子をめぐり争い続けてきた、馬見原と油井。彼らの互いへの憎しみは、いま臨界点を迎えている――。悲劇によって結ばれた人びとは、奔流のなかで、自らの生に目覚めてゆく。永遠に語り継がれる傑作、第五部=完結篇。
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