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実の母親を標的にする息子 【ニュートンの林檎 下】 [書籍にドロップキック!!]


ニュートンの林檎 下 (集英社文庫)

ニュートンの林檎 下 (集英社文庫)

  • 作者: 辻 仁成
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 1999/06/18
  • メディア: 文庫

■ヒトコト感想
上巻から引き続き、元子と僕の物語となる。上巻ではサブカルチャー的な雰囲気が強かったが、下巻となると一気にバイオレンスの要素が強くなる。元子が実はイタリアで殺し屋をやっていた。遣いきれない大金を殺し屋家業で手にしていた。

その理由としては、元子は恋人を殺された復讐として荒武に最も苦しい罰を与えようと考えていた。きな臭い流れと共に新たに登場してくる者たちが、全てどこかで繋がっているのがすさまじい。アリエの息子と元子が恋人同士になり、最終的には結婚までいきつく。かと思うと、元子の子どもが和虎と名前を変えて元子を殺そうとする。すべては不幸の連鎖が続いている。辻仁成風の作品ではない。革命を起こしたいなどと叫ぶあたり、村上龍的な印象をうけた。

■ストーリー
1990年、秋。僕はその夏ヴェネツィアで再会した佐伯元子からの連絡を待っていた。元子の心には、愛する男を惨殺した者への復讐の炎が燃えていた。復讐計画を実行に移すべく帰国した元子とともに、僕は九州の小都市へと出発する。新たな冒険譚がはじまった…。そして世紀末。宇宙的な円運動の中で、ひとつの愛が終息する。しかし引き合う魂の彷徨は終わらない。2005年、僕は―。長大なスケールの完結篇。






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