余裕ある大人の恋愛【薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木】 [書籍にドロップキック!!]
■ヒトコト感想
9人の女性たちの恋。若さあふれる、エネルギッシュな恋というよりも、ひっそりと内に秘めた熱を放出するような大人の恋。物語は9人の人物の目線で描かれている。次々と変わる視点に対して、最初は混乱したが、中盤になるとこの形式にも慣れてくる。不倫や浮気、日々の生活の不満や、叶わぬ恋を求めつづける者。恋愛のドキドキ感や甘酸っぱさはない。ある程度経験をつんできた者たちだからこそ、表現できる大人の恋なのだろう。夫婦間の関係や、男女の関係についてツラツラと描かれているが、物語全体には、よくわからない余裕のようなものを感じてしまう。何よりも恋愛を優先するのではなく、他が順風満帆なので、恋にうつつをぬかす。そんな感じに思えた。
■ストーリー
情熱。ため息。絶望…でも、やっぱりまた誰かを好きになってしまう!恋愛は世界を循環するエネルギー。日常というフィールドを舞台に、かろやかに、大胆に、きょうも恋をする女たち。主婦。フラワーショップのオーナー、モデル、OL、編集者…etc.9人の女性たちの恋と、愛と、情事とを、ソフィスティケイトされたタッチで描く「恋愛運動小説」。
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